海外経済 投資

幻想と恐怖で上がる株式市場:ヌリエル・ルービニ
2020年5月9日

ヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授が、順調に回復を続ける米国株市場をナンセンスと斬り捨てている。


このバリュエーションはナンセンスだ。
市場はV字回復を織り込んでいるが、経済はデレバレッジが企業セクターでも家計セクターでも起こりうる。
バランスシートを修復するため、みんな貯蓄を増やさなくてはいけないため、資本支出・投資を減らしてしまう。

ルービニ教授がBloombergで、3月下旬から順調に回復する市場についてコメントした。
バリュエーションを見る限り、市場はV字の経済回復を見込んでいるように見えるという。
しかし、教授は様々な経済主体の財務悪化が避けられないとしてバランスシート不況を予想する。
そうならば、回復はV字にはならない。
よくてU字だろう。

市場での2つ目の議論は、経済が求めるのが単に流動性ならば、ゼロ金利政策と0.6%の10年債利回りにより、主要倍率がはるかに高くなるというものだ。
しかし、流動性が市場を支えるのは一時だけだ。

ルービニ教授は、もう1つ上げ材料とされる流動性相場にも言及している。
教授は流動性の効果は一時的なはずと主張する。
仮に、この効果がある程度続くにしても、株式投資家にとっての魅力はさほど高くないはずという。

12か月先のS&P 500の益回りは今、10年債のそれよりわずか400 bpしか上にない。
世界金融危機の間は600-700 bpだった。

株式投資家が株を買うのは(遠目に見れば)とるリスクに対して十分なリターンが得られると期待するからだ。
現在は企業が利益予想を出せないほどリスクが高い。
一方で、リスク・プレミアムはそれほど大きくない。
ならば、株への投資はほどほどにすべきだ。
しかし、今の米国ではそうなっていない。

ルービニ教授は、こお理由を幻想と恐怖に求めている。

市場は主に流動性による回復の形の幻想と少しのFOMO(取り残される恐怖)によって押し上げられている。
失業したミレニアル世代ほかの人たちが先月やったのは、たくさんの証券会社に口座を開設し市場に賭けることだった。


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