Exclusive 投資 企業

年金・保険・高齢者の暗い未来:ウォーレン・バフェット
2021年2月28日

ウォーレン・バフェット氏の株主向け書簡の第3弾: 自社保険事業の強みと債券投資家の置かれた状況。


全体として、保険事業は世界のどの競合よりも多くの資本を配分されている。
その財務上の強さが、バークシャーが保険以外の事業から毎年受け取れる巨額のキャッシュのフローと相まって、他の大多数の保険会社には不可能な株式重点の投資をバークシャー傘下保険会社が追求するのを可能にしている。
競合は、規制上・格付上の両方の理由から、債券に集中している。
最近では、債券は投資すべき先ではなくなっている。

バフェット氏が年次の株主向け書簡で、自社保険事業の優位性を解説している。
豊富なキャッシュと高い格付が同社保険事業に自由度の高い投資活動を可能とさせている。
他社が債券投資にしばられ、低金利に泣いているのを尻目に、株式投資により高いリターンを得られている。

バフェット氏は、競合がブレークスルーを模索する中で危うい選択肢に手を伸ばしていると指摘する。

いくつかの保険会社は他の債券投資家と同様、今得られる悲しいほどのリターンを得るため、投資先を安全でない借り手の債務にシフトしようとするかもしれない。
しかし、高リスクのローンは不十分な金利に対する答えにはならない。
30年前、かつては強力だったS&Lが自滅した一因は、それを無視したことだった。

投資とはあくまでリスクとリターンのバランスだ。
見かけのリターンを求めるあまり割の合わないリスクに手を出せばどうなるか。
関連する経済・市場が風邪を引いた時にリスクが顕在化し、大きな損失を負うことになる。

バフェット氏は、保険会社が見かけのリターンを求めれば、かつてのS&L破綻の二の舞になると警告している。
一方、バークシャーの保険事業は前途洋々だとアピールする。
その原資は、保険業がもたらす1,380億ドルもの「フロート」だ。
保険会社は保険料を受け取り、何かあった時に保険金を支払う。
受取から支払まで長い期間に及ぶことが通常で、その間、保険会社はその資金を運用に回すことができる。

この資金は私たちのものではないが、債券だろうが株式だろうが米国債などの現金等価物だろうが、私たちが投資することができる。・・・
バークシャーが抱える莫大な額は長年にわたって現レベル近くに留まるだろうし、累積で見て私たちにコストは生じない。
もちろんこの幸福な結果は変化しうるが、長い目で見て分はいいと考えている。

何気ない文章にも見えるが、実は重大な言及である。
バークシャーの貸借の屋台骨となっている保険事業について、フロートが有利な状況にあり続けるとの表明だ。
実は、これは決して自明のことではなかった。
9年ほど前には保険料収入と保険金支払いのバランスが均衡し、逆転するのではないかとの心配がささやかれたことがあった。
仮に逆転すれば、バークシャーは取り崩す経済主体となり、得意としてきたBuy & Holdは難しくなってくるところだった。
バフェット氏の「分はいい」とのコメントはそのとおりなのだろうが、世界はいつも大きく変わりうるのもまた事実だ。

バフェット氏は、世界的な低金利が長期で安定的な運用を求める投資家を苦しめていると書いている。

最近の米10年債から得られるインカム、0.93%の利回りが、1981年9月の15.8%から94%も低下したのを想像できるかい?
日独のような大きく重要な国の中には、投資家が数兆ドルもの債務についてマイナス・リターンを甘受している。
世界中のフィクストインカムの投資家は、年金であれ保険会社であれ引退した人であれ、暗い将来に直面している。


-Exclusive, 投資, 企業
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。