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市場救済が落とし穴を深くする:セス・クラーマン

バウポスト・グループのセス・クラーマン氏が、中央銀行の政策に疑問を呈し、それに飼いならされている市場の現状を嘆いている。


「FRBの政策は見事にその目的を達成するのに成功した。
単に証券価格を持ち上げるだけでなく、投資家の行動まで変えたのだ。
FRBは、証券の買い手に大胆なリターン追求を促すよう影響を与えた。」

クラーマン氏が投資家向け書簡で、FRBのコロナ・ショック対応が目的を達成したと書いている。

確かにFRBの金融緩和・信用緩和により市場の混乱は収まった。
経済回復は緒についたばかりなのに、市場はすっかり元通りだ。
市場が機能するのはもちろんすばらしい。
しかし、諸手を挙げて喜べることでもない。

クラーマン氏は、高位にある市場・低利回りにある安全債券に対する大手年金基金の対応を紹介している。
その基金は、現実的にリスク調整後リターンの目標を引き下げるのではなく、ポートフォリオにレバレッジをかけ「低ボラティリティ」の未公開市場への投資を増やしたのだという。
クラーマン氏は、未公開市場が「低ボラティリティ」であるわけではないと滲ませる。

「市場がつまづけば、この基金は問題を解決していたのではなく、むしろ倍増させていたということになる。」

これは投資家の側の軽率さを批判したものだ。
一方、もちろん、この基金が問題を倍増させているのかもしれない大きな原因は中央銀行の政策だった。
クラーマン氏は、中央銀行の傲慢さ・市場機能の軽視を批判している。

投資家は容赦ないFRBの政策により幼児化されてしまっている。
FRBは投資家を愚かな子供とみなし、証券価格を合理的に設定できないから介入しないといけないと考えているようにさえ見える。・・・
実家の地下室に住む30歳の子供のように、私たちは、市場が自立する時は来るのか思い悩むことしかできない。


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