海外経済 投資 政治

市場を守ろうとしてドルがクラッシュする:ピーター・シフ
2021年11月17日

ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、FRBの金融政策を見透かし、投資家に投資戦略の抜本的変更を奨めている。


米国では長くインフレ、かなり高い水準のインフレが続くことになろう。
FRBはその火を消そうとせず、やることすべて油を注ぐことになろう。
投資家は特に、新たなインフレ的な現実に対処するため、投資戦略を過去10-20年から劇的に変える必要がある。

シフ氏がThe Income Generation Showで、今後の金融政策と投資戦略について話している。
経済政策がどうあるべきか、それとは別に投資家はどう予想すべきかを分けて語っているのが親切だ。

シフ氏は拡大した財政赤字について心配する。

財政政策によるバラマキが需要を押し上げたのは悪いことではないが、その拡大に国内の生産がすぐについていけるはずもない。
結局は輸入に頼り、生産を外国に依存することになる。

「米消費者に財を供給する上で外国に完全に依存している。
経済が構造的に弱いために、自分で作る能力がない。
やれることは借金をして支出するだけだ。」

シフ氏は、米経済が貯蓄・生産を外国に依存している点を問題視し、持続可能でないと考えている。
例えば、金利上昇が起これば、「借金をして支出する」のが抑制され、消費依存のGDPが「内爆」するという。
この体質が色濃い米国は、諸外国より大きく打撃を受けるはずという。

いつか終わりが来て、ドルがクラッシュする。
そうなれば、消費者物価上昇が大きく加速する。

シフ氏の予想は、基軸通貨としてのドルの地位が逆回転するという話なのだろう。
基軸通貨国の宿命として、双子の赤字を抱えざるを得ない。
(世界にマネーを供給するには貿易赤字が要るし、投資の受け皿となるには国債発行が必要だ。)
双子の赤字は問題ではあるが、基軸通貨と呼ばれるほど優勢であるうちは持続する。
その地位が揺らげば、それが逆回転を始める。

そんな劇的な変化とまではいかなくても、足元のインフレをFRBは退治できるのか。

シフ氏は、この問題をドラッグ中毒に喩え、FRBの政策を「金融政策のヘロイン」と形容している。
FRBの失策(長く続いた低金利政策)のため、経済・市場が利上げに対して脆弱になってしまったという。
やめなければいけないのに、禁断症状を怖れるFRBにはそうする度量がないと見透かしている。

FRBはブラフを入れているだけだ。
本当にインフレ退治をするつもりはなく、政治的に受け入れられる形で実行する能力さえない。
そうすれば経済を不況に陥れるだけでなく、株式市場・債券市場・不動産市場をクラッシュさせ、米政府に財政支出を劇的に縮小させることになる。


-海外経済, 投資, 政治
-, , , , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。