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市場も政策も過剰反応する:ローレンス・サマーズ
2020年7月13日

ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)がコロナ・ショック対策について、まだブレーキに足をのせる段階ではないと釘を刺した。


25年前のメキシコ危機の時のセディージョ大統領の言葉がいつも心に残っている。
『市場は過剰反応する傾向があり、それこそが政策が過剰反応すべき理由だ。』
だから、政策が大胆すぎて間違えるより、大胆さが不十分で間違える可能性の方がはるかに高いと思う。

サマーズ氏がBloombergで、コロナ・ショック対策が不足している、そうなる可能性があると主張している。

包摂的な成長のための大胆な政策パッケージが必要だ。
今は緊縮を考え、集中するような時期ではない。
今は政府の政策が過多であることを心配するような時期ではない。

サマーズ氏は、財政政策にやや消極的になった共和党のスタンスを暗に批判する。
「包摂的な成長」つまり社会の各層がまんべんなく経済成長し、恩恵を受けることが重要で、そのためには手を緩めるべきでないとした。
その上で、優先順位を明言している。

  • まずウィルス対策: 検査・接触追跡への投資
  • 過剰貯蓄の吸収: 吸収したマネーを社会に役立てる

コロナ対策でついに米国でも国内の過剰貯蓄が危険視され始めた。
サマーズ氏は今後米国で停滞と低金利が「主要なマクロ経済上の問題」になるとし、低金利を逆手にとり、過剰貯蓄を活用する道を提案している。

「基本的に社会に重要なことを行う中で吸収するようにしないといけない。
人々を職場に復帰させ、国のインフラを直し、教育システムを効率的にし適切な資源を与え、国で最も厳しい状況に置かれている部分に資本を向かわせることだ。」

どう吸収するかについては明言されていないが、国債発行だけでなく増税も意識しているのは明らかだ。
話題は、トランプ政権によるプロ・ビジネスが行きすぎた点に移った。
現状の米社会が公正さを欠いているとし、これを解消することと企業活動が両立しないわけではないと主張した。
その点は、企業経営者たちも理解しつつあるという。

サマーズ氏は、2017年に大幅に引き下げられた法人税率について言及した。

財界は3年前、20%台の真ん中から高いところまで法人税率が引き下げられればとワクワクしていた。
21%というのは、財界も望んでいなかった。・・・
米経済が1人あたりGDPで最高のパフォーマンスを上げたのは1950-60年代、最高税率が今よりはるかに高かった時代なんだ。


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