債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏は、米国株市場が大幅な下落を迎えるとし、その後の同市場の深刻な不振を予想した。
(株式市場は)18か月のうちに激しく破裂する。
もうしばらく回避したいのだろう。
次のメルトダウンが起これば、米国はパフォーマンスが最悪の市場になるだろう。
その大きな要因はドル安だ。
ガンドラック氏の1日のReal VisionでのインタビューをMarketWatchほかが伝えている。
ガンドラック氏は近年、ドル安と米国株市場の深刻な不振を予想してきた。
今月には、資産を1/4ずつに配分することを奨めている。
高格付債券、株式、金、現金に1/4ずつというものだ。
「今では(資産の)25%を金で持つことがバカげた考えでなくなった。
また、25%を現金で持つのもバカげたことでない。」
長期投資の先としての米国株を信じる人たちには長い間60:40ポートフォリオが奨められてきた。
株式60、債券40の配分だ。
これと比べてガンドラック氏の推奨は大幅に株式が少なくなっている。
また、金が少なからぬ1/4入っている。
ガンドラック氏は環境の変化がこうした配分割合を正当化するという。
それほど結末に潜在的なテール・リスクが存在し、かけ離れた結末がありうる。
だから、このバーベル型の資産配分の考えが必要なんだ。
ガンドラック氏は、リスク資産がさらに上がる可能性を否定するわけではない。
だから、株式をゼロにしたり、ショートしたりまでは奨めない。
一方で、株式が大きく下げたり、インフレが昂進する可能性も否定しない。
だから、株式は抑えめ、金を入れることになる。
株式が少ないのだから、ガンドラック氏の市場見通しはやはりベアなものということになる。
ガンドラック氏もこの資産配分の趣旨を語っている。
このトレードは(次の買い場での)トレードを待つためのものだ。・・・
今、私はとても低いリスクしかとっていない。
市場がブル一色ではないことを窺わせる好例だろう。
ただし、注意したいのは、市場にベアな見方をする場合も、リスク資産へのエクスポージャーをゼロにはしていない点だ。
市場の先行きが心配だといってエクスポージャーをゼロにしてしまうのは、日本人の悪い癖なのではないか。