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市場は動揺し経済成長は脅かされる:ローレンス・サマーズ
2022年1月11日

ローレンス・サマーズ元財務長官は、経済・市場が金融引き締めに対して脆弱性を高めているとして、今後、金融引き締めの悪影響が及びうると予想している。


経済が利上げに対してどれだけ脆弱かが今後明らかになるだろう。
現在の脆弱性が過去より大きくないのなら、2%の金利でインフレを制御し続けられると考えるのは非現実的だ。

サマーズ氏がBloombergで、経済が利上げに対して以前より脆弱になっていると暗示している。

同氏はしばしばこうした《背理法》を用いる。
仮想の反対意見を正とし、その結果、矛盾や不都合が生じることを示し、反対意見が誤りであると気づかせるのだ。
今回の反対意見とは、脆弱性が高くない、つまり経済が頑強であること。
経済が頑強なら、仮にFF金利を2%(市場コンセンサスは1%前後)まで引き上げたとしてもびくともしないはず、と展開する。
びくともしないなら、インフレは下がらない。
つまり、脆弱でないという仮定とFRBがインフレを制御するという前提の間に矛盾が生じることになる。

一部の主張のように、債務拡大や資産価格の大きな膨張のために、経済は利上げや量的引き締めに対してより脆弱になっているかもしれない。
だから、(インフレ)退治には難しいバランスが必要だ。

実体経済も金融経済も金融緩和に助けられてきたのは間違いない。
それが長く続いたために、低金利・高水準の流動性に慣れ切ってしまっているのだろう。
これが経済・市場を金融引き締めに対して脆弱にしている。

サマーズ氏は少なくとも数か月インフレが低下しないと予想している。

私は、インフレがすぐに低下するとは思わず、実際にそう決まっており、困難な時が近づいていると予想している。
昨年の1-2月の横ばい、とても低い数字との比較により、今後数か月は前年同月比で上昇しそうだからだ。・・・
FRBは、ある程度の金融市場の動揺や経済成長に関する懸念という課題に見舞われるだろう。

ベース効果の部分を大きく見るのはあまり意味がないかもしれない。
しかし、米インフレはすでに5-7%の領域にある。
当分は、経済の脆弱性と高インフレの間でFRBは「難しいバランス」を問われることになる。


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