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市場はテーパリングを消化できない:ジェフリー・ガンドラック

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏は、株式へのスタンスを慎重にするものの、それでも債券よりはましとの見方を続けている。


住居費の上昇、おそらく賃金もあって、インフレが持続的に高水準にとどまるのはほぼ確実だ。

ガンドラック氏がCNBCで、米インフレの高止まりを予想した。
今年の消費者物価上昇率についてはエネルギー価格高騰もあって5%台、来年についても4%を割ることはないと予想した。
結果、米国債利回りは実質ベースで大きくマイナスに沈んでいるとし「ひどく魅力がない」と話した。
一方、米国株に対してもやや慎重になっているようだ。

7月と比べると、少し大丈夫さは減っただろう。
FRBが真剣にテーパリングを考えているからだ。

ガンドラック氏は7月のCNBC出演で、債券利回りが「バカらしいほど低い」ために株式が「債券より割安」と述べていた。
今回、FRBが金融政策正常化を具体化しつつある中で、株式へのスタンスをやや後退させたようだ。
ガンドラック氏は、以前から、S&P 500の時価総額がFRBバランスシートと同期していると指摘してきた。
したがって、テーパリングによりFRBバランスシート拡大が止めば、株式市場にも影響が及ぶという。

また、ガンドラック氏はアトランタ連銀が公表するいわゆるシャドーレートにも言及した。
これは、量的緩和の効果を政策金利の効果に換算し、それをFF金利に反映させて示したものだ。

このモデルが示すのは、これまで見てきた量的緩和の効果により実際に生み出されている正味のFF金利はマイナス2%ということ。
だから、ジェローム・パウエル議長が言ってきて、今日も言ったように、来年半ばまでに量的緩和が止むなら、これは、FF金利にして2%の引き締めに相当する。
おそらく、市場がこれを消化するのは難しいだろう。

ガンドラック氏の指摘は正しいが、解釈にはやや注意が必要だ。

Wu-XiaシャドーFF金利 (出典:アトランタ連銀
Wu-XiaシャドーFF金利

前回のテーパリング開始は2014年1月で、シャドーレートは-2.38%だった。
その後の5月、同レートは-2.99%まで下げている。
テーパリングが終了した同年10月、同レートは-2.80%だった。
つまり、テーパリング実施中はさほど同レートに影響しなかった。

前回は2015年12月に利上げが、2017年10月にバランスシート縮小が開始された。
シャドーレートが実際のFF金利に一致していったのは2015年末にかけて。
つまり、利上げ開始に向けて、量的緩和の効果が急速に減少したことになる。
前回は、名目ベース、シャドーレートベースで5%超の引き締め影響があった。
今回はシャドーレートの底が約1%ほど浅く、インフレが高まっている点が(現時点では)追い風かもしれない。


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