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少しマイナス面が積み上がってきた:ジェレミー・シーゲル
2021年8月18日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、いつものように強気スタンスを継続しつつ、市場の逆風が増えつつあると話している。


FRBは、9月のテーパリング開始をうまく発信していると思う。

シーゲル教授がCNBCで、相次ぐ地区連銀総裁の発言についてコメントした。
パウエル議長がテーパリングに前向きな発言を控える中、地区連銀総裁の中から早期テーパリングを支持する発言が続いている。

《永遠のブル》はもちろん今も強気スタンスを継続している。
ただし、強気のトーンは少し弱まっているようにも聞こえる。
この日の強気の根拠はこうだった。

「まだ強気相場が継続中と考えている。
最も強力な要因は、他に選択肢がないことだ。」

消去法で株といった感じだ。
逆に、少し慎重になるべき理由をいくつか挙げている。

  • 上昇の速さ: パンデミックの底から1年半足らずでS&P 500は倍以上に上昇し、これは「第2次大戦後最速」。
  • 季節: これから9月は「季節的に難しい時期」。
  • 「値札ショック」: 新学期の買物に行って、大幅値上げに驚く話が聞こえている。
  • 増税
  • アフガニスタン問題

こうした要因からシーゲル教授は、米国株市場で小幅の下げ(定義は5%以下)があっても驚かないと話す。
むしろ、状況は今後さらに悪化する可能性があるという。

中国からの輸送費が1000%上昇しており、クリスマスの頃には『スーパー値札ショック』になるかもしれない。
これでも、まだ供給側の混乱のすべてではない。
少しマイナス面が積みあがっており、近いうちに市場の重しとなるかもしれない。

さらに、最も望ましくないシナリオについても話している。
シーゲル教授が予想するように「インフレがFRB予想よりはるかに過酷になる」というシナリオだ。
教授はこれまで、今後数年で物価水準が累積的に20%上昇すると予想してきた。
この予想が現実のものとなり、FRBがパニックに陥り、急ブレーキを踏む。
これが最悪のシナリオであり、大幅な市場下落をもたらすケースだ。

これだけ自らネガティブな要因を話しても《永遠のブル》の心が折れることはない。
市場がいくらか慎重になることはあっても、現状の低金利・強い企業収益を見る限り、近いうちの大きな市場下落は予想されないという。
背景には実証された経験則から来る信念があるようだ。

株式は実物資産であり、インフレ的環境ではまだ投資すべき対象だ。・・・
債券・現金・銀行のCDはインフレとともに減価する。
株式がインフレに負けないことは、長期間の研究で分かっている。


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