ジェフリー・ガンドラック氏のYahoo! Financeインタビュー第2弾: 米国株市場の一部で起こりつつある熱狂と、株価とファンダメンタルズの乖離について述べられている。
株式市場上昇の1つの原因は、政府が失業した人々に給付したお金にある。
金融メディアの広告を見ると、投資商品の単位がどんどん少額になっている。
ガンドラック氏がYahoo! Financeで、超小口投資家の急増についてコメントしている。
商品によっては株式を5ドルから買えるものもあり、50ドルあれば10銘柄のポートフォリオを作ることも可能だ。
こうした超小口の投資家が急増しており、ガンドラック氏は危うさを感じている。
「2月の株式市場で興味深かったのは、小口投資家から非常に多くのコール・オプションの買いがあったことだ。
しかし、3週間前の6月8-9日頃にはそれを超え、コールの買いの数が2月のピークより50%超も増えた。
これは、人々の奇妙な陶酔感の類いを表している。」
コロナ・ショックが本格化する前から小口投資家が株価上昇に賭けるオプションを買っていた。
コロナ・ショックで恐怖感を感じてもいいはずなのに、6月にはもっと多くの賭けが見られていた。
ガンドラック氏は、こうした行動をとった小口投資家の現実を想像する。
おそらく彼らはいつもはそのお金、あるいは政府からもらったお金でギャンブルをしているのだろう。
しかし、カジノや競馬場が閉まっているので、かわりにFANGに賭けたのだろう。
超低金利とバラまきが、人々のギャンブル熱を後押ししている。
もっとも、たとえこれが熱狂であったとしても、根拠をともなっていれば危ぶむ必要はないはずだ。
ガンドラック氏はFacebook、Apple、Google(Alphabet)、Amazon、Netflix、Microsoftの6社を「スーパー6」と呼び、スーパー6とそれ以外の格差を指摘する。
「スーパー6を除けば、米株式市場に利益成長はない。
過去5年全くないんだ。・・・
小型株にも利益成長はない。」
スーパー6という特異な企業群を除けば、企業収益に改善はなかった。
そして、コロナ・ショックで企業収益は大打撃を受けた。
経済回復には時間がかかりそうなのに、株価はあっという間に元通りになった。
上場企業の利益は2016年と同水準にあるが、当時の株式市場は現在より1/3も低かった。
市場が操作されたことで、ファンダメンタルズとの同期が完全に外れている。