海外経済

将来を占う3つの経済法則:デービッド・ローゼンバーグ
2021年3月5日

ベア派エコノミストのデービッド・ローゼンバーグ氏が、経済学の基本的な3つの法則・仮説を用いて、米経済について弱気予想を続けている。


ほとんどの学者が経済を予想する時に見過ごしていることが3つある。
いずれも経済学の基本的法則だ。

ローゼンバーグ氏がFinancial Postで、経済学者をディスっている。
もちろん米経済にかかわるコラムなのだが、かつて日本経済についても盛んに引かれた議論であり、なんとも微笑ましい。
3つの法則を見てみよう。

収穫逓減の法則

システムへの投入を増やすにつれ、投入に対する生産の率が低下していくという古典的な言い伝えだ。
パンデミック脱出を待つまでもなく、ローゼンバーグ氏は飽和が起こり始めていると考えている。

「米国における高額の耐久消費財への支出は現在、記録的な1世帯あたり16,000ドルだ。
これは過去30年平均より60%も多い。」

リカードの等価定理

政府が借金をして財政刺激策を講じても、家計・企業は将来の増税を予見し支出を増やそうとしないため、刺激策の効果が発揮されないという話。
非ケインズ効果といった言葉で語られることもあり、過去、日本についても指摘されることがあった。
ローゼンバーグ氏は、これが米国で起こっていると書いている。

「これは個人の貯蓄率急騰にあらわれている。・・・
また、ケインジアンの財政政策が経済成長の継続的促進において必ずしも効果的とはならないことを示唆している。・・・
これは、1月にニューヨーク連銀が公表した消費者予想において、増税予想が3か月連続で上昇し、11年超で最高になったのと関係している。
政府債務拡大予想の急騰と同時に起こり、同予想はパンデミック前の水準の倍となっている。」

恒常所得仮説

(一時的でなく)恒常的な所得・富のみが人々の恒常的な消費水準に影響するという説。
現在の所得よりも、むしろ将来得られるであろう所得まで推定した上で、消費活動を行っている。

「たとえ経済政策が所得を増加させることに成功しても、消費支出を増加させる乗数効果を引き起こすことはないかもしれない。
むしろ、この仮説が示唆するのは、将来の所得の予想を変えることがなければ、消費の増加率を継続的にプラスにすることはないということだ。」

こうした観点から、ローゼンバーグ氏は弱気を続けてきた。
まさに米国が日本化するシナリオのような響きであり、米国に関する限りコンセンサスの逆を行く意見だろう。
さて、現実はどちらに転ぶだろう。


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