新興国市場投資の大ベテラン マーク・モビアス氏が、原油価格の見通しを述べ、新興国市場でのチャンスに言及している。
「個人的にはこの原油の低い価格は持続しないと読んでいる。
今年半ば、終わりになれば、原油価格は回復するだろう。
実際、私はそういう賭けをしている。」
モビアス氏がCNBCで、年内の原油価格回復を予想している。
とはいえ、回復の時期はすぐというわけではなさそうだ。
数か月は低い原油価格が続くとして、それは新興国市場にとってどういう意味があるのだろう。
自ら「市場が下がっている時により幸福を感じる」と認めるモビアス氏。
同氏にとっては株価下落も原油価格下落もチャンスの種なのだ。
新興国市場の原油輸入国、中国・インド・トルコ等々にとってはこの安い原油価格はすばらしいことであり良いニュースだ。
モビアス氏は、原油価格が不思議なほど安い今、中国が備蓄を積み増していると話す。
この恐ろしく安い原油の在庫が、将来効いてくるのだろう。
モビアス氏は、今回これまでの弱気相場におけるピークから底値までの下げ幅について注目する。
S&P 500が28%、MSCI新興国市場指数が29%下げている。
「この(小さい)差は驚きだ。
もっと新興国市場が大きくやられると思っていた。」
一方、底からの回復はS&P 500が15%、MSCI新興国市場指数が10%。
米国株の方が幅は大きいが、とても大きいというほどの差でもない。
今回これまでの弱気相場では、新興国市場が意外に粘り強さを見せている。
モビアス氏は楽観する。
平均で見てわずかに大きく下げ、回復がわずかに小幅な新興国市場にむしろチャンスを見ている。
同市場では大きなむらが生じやすい点に関係しているようだ。
大きな違いは、新興国市場により多くのバーゲンが生じている点だ。
会社によっては60、70、80%下げたところもある。
たいへんなチャンスだ。
モビアス氏は特に新興国市場の小売業に注目しているという。
インターネットを活用し、配達など新しいことを試みている企業を物色していると話した。