好調な雇用統計に隠れた凶兆:ピーター・シフ

Euro Pacific Capitalのピーター・シフ氏が、痛烈にトランプ大統領を批判している。
大統領の自慢する好景気はまやかしだとし、あわせて不動産市場によくない兆しが見られると警告した。


ちょっと待って。
あなたはこれら経済統計を詐欺、嘘、インチキ、ゴミと言っていたじゃないか。
ドナルド・トランプがまだ候補だった頃、バラク・オバマのインチキの経済回復を厳しく批判した根拠は、オバマが詐欺的な統計の陰に隠れているという主張だった。
ドナルド・トランプが今ありがたがっているのはその同じ統計だ。
彼が批判していたその統計なんだ。

シフ氏がポッドキャストで、トランプ大統領のご都合主義を批判した。
オバマ大統領が示す統計はインチキだが、自分が示す統計は真実で、それが自分の功績を示しているという具合だ。

シフ氏は前回の大統領選、他に選択肢がないという理由でトランプ大統領に投票したと話している。
しかし、トランプ大統領就任後ほどなくしてシフ氏のトランプ批判は始まった。
小さな政府を求めるシフ氏からすれば、減税はよくても、財政赤字拡大は問題外なのだ。
もっとも、そんな相違がなくても、純粋無垢なシフ氏からすれば、トランプ大統領を支持することなどありえなかったろう。

シフ氏の皮肉は続く。

「だから、私が思うには、もはや仕事を探していない、打ちひしがれた労働者のことを、大統領は気にかけていないのだろう。
正社員になりたいのに口が見つからずパートで働いている人たちを気にかけていないんだ。」


トランプ氏は労働者の層からも支持を集めて当選した。
しかし、その政策は労働者のためというよりは金持ちのためというものが多い。
この皮肉はそれを指摘したものだが、ここで終わるなら月並みな批判で終わる。
シフ氏のすごいところは、それがより深い真実と結びついているところだ。

これらの人たちの数字は、3.6%の失業率の数字には含まれていない。

失業率の数字がすべてを示すものでないことをシフ氏は改めて思い出させる。
そして、助けるべき人が助けられていない可能性を提示するのだ。

「ドナルド・トランプが就任したのが2017年1月20日と、ほぼ1月末だ。
2017年1月末の労働参加率は62.9%で、今は62.8%だ。
・・・
待機していた労働者が労働市場に出てきて労働参加している、これらすべての労働者が好景気のチャンスを利用しているという話だったが、どれも事実じゃない。」

トランプ政権の政策すべてを否定するのは極端だとしても、トランプ大統領の自慢の多くがそもそも根拠のないフェイクに近いことは否定できない。

シフ氏は、小売り業の雇用者数が3か月連続で減少している点に注目し「不吉な兆候」と指摘している。

小売業が閉店して廃業し、職が失われているのはもちろん、商業用不動産にも悪影響が及ぶ。
たくさんの店が廃業し人を解雇し、たくさんの家主が家賃を受け取れなくなる。
これが次の不動産市場崩壊の一因になり、商業セクターにとって厳しいものになるだろう。


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