好材料は織り込み済み、FRB 5月利下げへ:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ことジェレミー・シーゲル教授が、米国株の上昇余地は大きくないと予想している。
永遠のブルの目にも、材料はほとんど出尽くしたように見えるようだ。
(タイトルで「利下げ」とすべきところを「利上げ」と誤記してありました。お詫びし訂正します。)


好ましい材料の80-90%は織り込み済みだ。
・・・大統領は中国と合意せざるをえない。
しかし、それはほとんど織り込み済みだ。
せいぜい5、6、7%上げる程度だろう。
9月の最高値まであと数%しかなく、それを大きく超えることにはならないだろう。

シーゲル教授がCNBCで、米国株市場について慎重な予想を続けた。
教授は2020年が大統領選挙の年であることを念頭に置いている。
トランプ大統領は(真実はともかく)経済と株式市場を売り物に人々の支持を得てきた。
シーゲル教授は見透かしている。
大統領は、選挙までは何が何でも経済・市場を悪化させないようにするはずだ。

しかし、少なくとも株式市場については好調を保つのはそう容易ではない。
シーゲル教授は、ドル高や昨年の大幅な利益率改善を挙げ、今年の企業収益の市場予想のハードルは高いと指摘した。
企業の取り分の源泉となる全体のパイの成長が鈍化しているからだ。

「今朝の統計で少し安心した。
私はもっと急激な景気悪化を心配していた。
第1四半期の成長率は1.5%かそれ以上いきそうだ。
2018年の3%成長から鈍化しており、少なくとも通年で2.5%は必要と考えている。」


第1四半期が1.5%成長だったとして、通年で2.5%の成長が必要だとしたら、残る3四半期を平均2.8%超で成長しなければならない。
これは大規模財政刺激策のあった昨年の数字に近い水準だ。
ただでさえベース効果(前年の特殊要因の効果)が効いてくる今年、この数字はかなりハードルが高い。

だから、永遠のブルと言われたシーゲル教授もなかなか強気にはなれない。
それでも、仮に年内5-6%の上昇があるとした場合の相場観を説明している。

「5-6%の上昇を想定すると現株価はPER 18倍の水準だ。
低金利の世界では高すぎるとは言えない。
・・・
(長期)利回りが2.75%へ戻し3%に向かうようになれば、0-10%の半ばの企業収益上昇率は5%レンジに向かい、少し株価も上向くだろうが、大きなものにはならないだろう。」

冷静なシーゲル教授のバランスのとれた分析眼がよく表れたコメントだ。
分母の金利は低い方がいいといいながら、金利上昇は分子である企業収益の改善を暗示することもきちんと押さえている。

シーゲル教授は先週と同様、FRBが利下げすべきと指摘した。
決してリスク資産の上げを乞うたのではなく、イールド・カーブに主眼を置いたものだ。

「FF金利が240 bp、10年債利回りが240 bpというのは理屈に合わない。
FF金利は少なくとも50 bpは低くあるべきだ。」

シーゲル教授は、FRBが経済のモメンタムを把握するために経済データに注視しているはずと解説。
5月1日のFOMCでの利下げを予想した。


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