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大規模刺激策に学問的根拠はない:ロバート・シラー
2021年3月11日

ロバート・シラー教授のダブルライン・キャピタル主催座談会での発言 第2弾: 景気刺激策にかかわる人々の考え方の変化について指摘されている。


過去の経済縮小期に比べ現在なぜより大規模な刺激策を実施すべきかについて、良い学問的根拠は見られない。・・・
何か社会における政府の役割が変化しているが、私はそれをうまく説明できない。

シラー教授がダブルライン・キャピタル主催の座談会(2月25日)で、コロナ・ショック以降の大規模な金融・財政政策についてコメントした。
良い悪いの話ではなく、国家がどこまでやるのかのボーダーが変化したと指摘している。

シラー教授は、ステファニー・ケルトン教授が再び日の目を見せたMMTを引き「新たなナラティブ」であると説明している。

ステファニー・ケルトンが言うのは、インフレにならない限り前に進もうというものだ。
ジェローム・パウエルが言うのは、少しインフレになっても、それに反応でき、止めることができるというものだ。
でも、こんなにも拡張的な財政政策を正当化できると確実にわかるほど、私たちはその背景にある社会的力を理解していないだろう。

シラー教授は、意図せずして実現したデファクトのMMTについて、インフレを生むかどうか直にわかると話している。
教授は経済・市場分野における実証研究でノーベル賞を獲った人物。
過去のファクトを重んじる。
理論とファクトが相違すれば、ファクトを無視すべきでないことを良く理解している。
過去の歴史で不快なインフレが何度も起こっているというファクトが、教授を心配にさせるのだろう。

いずれにせよ米社会、特に市場では楽観が支配している。

「ワクチンでコロナウィルスは終わり、元に戻るとみんな考えているようだ。
トランプがいなくても、アメリカを再び偉大にしようと。・・・
それが現在の時代精神であり、それがどう変化するか考えている。」

シラー教授は、高いバリュエーションが変化(経済悪化・株価急落など)の引き金になる可能性があるという。
しかし、CAPEレシオが過去140年で最高だったITバブルの時期は現在とは随分状況が異なっていた
教授は、3番目のピークであった狂騒の1920年代とも比較したという。
でも、やはり現在とは大きく異なるのだという。
だから、シラー教授の結論はあいまいなままだ。

私たちはエピデミックによって脅かされ、神経質になっている。
バリュエーションは高くても、すぐに大きな調整は起こりそうにないように見える。
でもこれは単なる直観であって、私はこうした自分の直観を信用していない。


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