海外経済 投資 政治

大統領選挙後の株式市場:ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ氏が、大統領選挙の結果が市場に与える影響について語っている。


現職が勝つ場合、市場が翌年上がる確率はとても高くなる。
それまで上がっていたなら、翌年上がる確率はとても高い。
挑戦者が勝つ場合、確率はかなり下がるものの、それでも上がる可能性があり、しばしばそうだった。

ロジャーズ氏がインドETに米大統領選の翌日語った。
大統領選後の市場について過去のファクトを淡々と述べたものだ。
大統領交代で上昇の確率が低減する理由を、同氏は、政策変更により割を食う人が出るためと説明している。

米大統領選挙は7日、複数の米メディアがバイデン勝利を伝えた。
今後、法廷闘争も予想されるが、最終的に大差がつく見通しで、現時点で逆転を予想する材料はほとんどない。
米メディアの中には、トランプ大統領の周りを囲んでいた人たちが見られなくなっていると伝えるものもある。
実際、記者会見に立ち会う政権幹部の姿はまばらだ。
このまま大統領が大統領職を失えば、同氏に与えられるステージは法廷の被告席と変わるのかもしれない。

ならば、すべきことはわかるだろう。

ロジャーズ氏は近年、近い間に強気相場の終わりに見られる最後のひと上げが起こると予想していた。
この局面では、上げ方が急になることがある。
この予想はトランプ勝利の場合の方がより当たりやすかったのだろう。
しかし、ロジャーズ氏は、バイデン勝利でも上昇はありうると述べている。

FRBが大量の貨幣増発を続けるなら、誰が大統領になって大規模財政出動を行おうが関係ない。
これは米国だけのことではなく、日本や世界中の国でも同じことだ。
だから、大統領選だけで市場が大きく変わるものではない。・・・
概して借金による支出は続く。

やはり足元で行われた、また今後行われると予想される大規模な財政・金融刺激策の市場への影響は大きい。
これは、バイデン候補について語られるいくつかのマイナス要因を跳ね返すかもしれない。
指摘されている最大のマイナス要因は増税だろう。

ロジャーズ氏は、経済と市場は別物と断った上で、経済・市場の両方にとって増税はマイナスと解説する。
ただし、足元にとってマイナスだからといって、否定すべき話ではないとの含みも持たせている。

増税は子や孫にとっては良いことだろう。
しかし、子や孫の話は数十年先の話になるから、今の状況には重要でないとされてしまう。

ロジャーズ氏は以前から放漫財政に批判的な意見の持ち主だ。
(コロナ下の話ではなく、中長期的な話。)
ただし、解決策に対する処方箋が今の共和・民主両党のいずれとも異なっている。
歳入を増やすのでなく、歳出を削減することで財政を建て直すべきと述べてきた。
(これは過去の共和党的考え方といえる。)
そのロジャーズ氏でさえ、増税に一片の利点を認めている。
財政問題が歳出削減だけで解決するのが難しい状況を認めざるをえないのだろう。

もっとも、バイデン氏の増税案については、市場では楽観する向きも大きい。
現状の経済、とりわけ雇用状況を見れば、経済に悪影響を及ぼすような増税は当面実施できないとの見方が多いからだ。
また、増税しても歳出も増大するなら、経済や市場に及ぼす影響度合いが大きくなるとはなかなかいいにくい。

バイデン勝利のもう1つのマイナス要因は、民主党の対中強硬姿勢だ。
これについてロジャーズ氏は、コンセンサスより楽観的なコメントを語っている。

歴史を通して、世界のどこであろうと、政治家とはうまくいかなくなると他国を非難するものだ。・・・
最終的に選挙が決着し、当選者が決まれば、先々他国を批判する理由・必要性はそれほどなくなり沈静化するだろう。
それは世界にとっても米中にとっても良いことだ。

市場では、バイデン勝利で貿易摩擦が小康する一方、知的財産権等の分野での摩擦が高まるとの見方が一般的だ。


-海外経済, 投資, 政治
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。