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ジョセフ・スティグリッツ 大恐慌より困難だ:ジョセフ・スティグリッツ
2020年3月26日

ジョセフ・スティグリッツ教授が、コロナ・ショックの特殊性を説明し、これが大恐慌より険しいものになる可能性を警告している。


(米市民の)とても大きな割合が、銀行預金を500ドル(約55,000円)も持っておらず、給料(週給が多い)を1回もらえなければ食べ物を買えず、家賃も払えない。・・・
米国の失業保険制度は先進国の中でもっともお粗末で、多くの人が対象外とされている。

スティグリッツ教授がラジオ局WCBSのインタビューで、米労働者の窮状を語っている。
米国は先進国の中で最も小さな政府を有する国の1つ。
その弊害が新型コロナウィルスによる混乱で表面化している。

FPを読まれる投資家なら想像がつきにくいだろうが、米国でも日本でも貯蓄を持たない人が全体の何割もいる。
そういう人たちがウィルス騒ぎで仕事に就けなければ、たちまち生活に困窮してしまう。
それでも日本はまだましだ。
完璧ではないが、米国と比べればはるかに社会保障制度が整っている。
それに欠ける米国の低所得者層はまさに危機に瀕している。

スティグリッツ教授は、今回の危機が1929年からの大恐慌よりも困難な状況にあると話す。
大恐慌では脱出の道筋が存在したためだ。

大恐慌では経済を回復させる方法についてアイデアがあった。
あれは単なる総需要不足だった。
ニューディールが、経済の再刺激のやり方の原則を提示していた。

スティグリッツ教授は、財政赤字を過度に心配してはいけないと説く。
大恐慌の時も、ニューディールを徹底できなかったために、完全な回復を第2次大戦まで待たなければならなかったという。
しかし、たとえ財政出動を存分に行ったとしても、それだけで解決する問題でもない。

「単に総需要を回復させるという話ではない。
今必要なのは刺激策ではなく、問題は需要不足ではない。
ウィルスの恐怖で仕事に行けないのが問題なのであって、必要なのは大規模な社会的保護だ。」

スティグリッツ教授は、総需要かさ上げのための政策が必要なのではないと話している。
全体のパイを大きくするのではなく、再配分を強化し、罪もなく苦しんでいる人を救済すべきと説いている。
そうすることが結局は経済を回復させると主張する。

米国の社会的保護はほぼすべての先進国の中で最も弱い。
急いで社会保護制度を繕わないといけないが、とても困難だ。
それは、回復がとても難しくなることを意味する。


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