政治

大恐慌は良い結果ももたらした:ロバート・シラー
2020年7月15日

ロバート・シラー教授が、社会が今後向かう方向性についていくつか明るい可能性に言及している。


何かの専門家にならないといけない。
何かについて本当の専門家、インターネットを打ち負かせる専門家だ。
人間に向かったことをやる助けになるだろう。

シラー教授がCNBCで、若い労働者や失業者についてアドバイスを求められた。
教授は率直に「わからない」と述べた上で、代わりにこれまで学生に話してきたことを披露した。

シラー教授が「わからない」といったのは謙遜ではないようだ。
とりわけ、コロナ・ショックが社会のありようを変化させつつある。
(インタビュー前半は住宅市場についての会話であり、ここでも社会通念の変化で不動産価格の傾向に変化が及びうると話している。)
わからないのは正しいアドバイスだけでなく、その前提となる将来の社会のありようであるようだ。

見通しにくい将来の中で、教授は特に格差拡大・社会の分断について心配している。
社会の二極化が結局は経済に悪影響を及ぼすという。

その一方で、シラー教授らしく、物事の明るい面に目を向けることも忘れない。
「互いの友情、互いのための善意の願いを忘れてはいけない」と説きつつ、今回の危機でそうした面が見られている点を喜んでいる。
普通の仕事に就く人たち、医療従事者、フード・デリバリー業者などへの感謝が示されている点だ。

今回、戦時中のようなコミュニティの精神が見られている。
これが、格差を緩和するのに役立つような政策を受け入れやすい政治につながるかもしれない。

シラー教授は、各国のコロナ対策について一定の評価をしている。
単純な経済原理に結果を委ねるのではなく、経済を支え、困窮する人を救おうとしているからだ。
教授は(一過性に終わらせず)「相互信頼の確立に役立つような思いやりのある社会を確立すべき」と説く。
「相互信頼こそが最終的に経済成長に拍車をかける」ものなのだという。

シラー教授は、いつも物事の両面に目を向ける。
失業率が極めて高かった先例である大恐慌についても、暗い面だけでなく明るい面を見ている。
むしろ「米国ではとても良い結果をもたらした」とさえ語っている。

社会保障制度、預金保険など、人々を守る機関が設立された。
また、多くのイノベーションが起こった。
最初は雇用を奪う危険なことと受け取られたが、結果的には強い経済を生み出した。
だから、私は同じことが今回も起こるかもしれないと考えている。


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