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大問題解決が大崩れの必要条件に:モハメド・エラリアン
2021年10月23日

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏は、金融政策正常化で出遅れるFRBを批判し、市場が大崩れするための1つの皮肉な必要条件を明かしている。


パウエルFRB議長は、インフレが一過性でないという考えやテーパリングを利上げから切り離すことはできないとの考えに反論するだろう。
市場は最近、特にイールドカーブの短期側において・・・インフレ上昇だけでなく、FRBが望むようにテーパリングと利上げを順序良く進めることができないとの懸念を織り込み始めている。

エラリアン氏がBloombergで、FRBへの金融政策正常化の圧力が強まっていると指摘した。

実際、先月以降、長期金利だけでなく比較的短期側の金利にも上昇の兆しが見える。
こうした年限ではまだ据え置かれているFF金利誘導目標の影響を強く受けるはずだが、必ずしもそうなっていない。
出遅れるFRBを尻目に、市場の方がさっさと金融を(相対的に)引き締めているような状況だ。

米2年債(青)・10年債(赤)の利回り
米2年債(青)・10年債(赤)の利回り

エラリアン氏は、従前の批判を継続し、FRBが出遅れていると指摘する。
FRBは極力利上げをしたくないと考えているとし、このスタンスが「2つの異なる金融政策のレジーム」に行き着くという。

  • 出遅れ続ける。
  • (誰も望まないが)非常事態が起こりUターンする。

エラリアン氏が挙げた2つのレジームは選択肢というわけではなさそうだ。
まず前者があって、後に後者が起こるといった可能性も十分にある。

パラダイム・シフトが起こったんだ。
長い間、私たちは需要不足の世界にいたが、もはやそうではない。
私たちは供給不足の世界にいる。

エラリアン氏は、経済が鈍化するとの懸念に対し、それでも需要不足が問題とされるような悪い状況ではないと反論する。
需要不足から供給不足へのパラダイム・シフトが進行中で、人々の「行動が変化を始めている」ことに注視すべきという。
行動変化は、インフレ期待等の変化を暗示するからだろう。
エラリアン氏は、反応の遅い政策決定者は別として、企業経営者は変化を理解し日々判断を迫られているという。

「企業には選択はなく、待つことも許されない。
(FRB流の)一過性から持続的一過性へ、拡張的一過性へ、うなるような一過性へといった言い換えをする余裕はない。
分析上これは無意味だ。」

日に日にインフレが「一過性」といいがたくなる中、言葉の定義を変えることで自分たちの誤認を糊塗しようとするFRBをエラリアンは厳しく批判する。
1つの言葉にこだわるのでなく(市場を混乱させないようゆっくりと)表現(それにしたがい政策)を変えていくべきと注文をつけている。

エラリアン氏は、市場もまた、人々の行動変化のプロセスに十分に対応ができてないと指摘する。
ただし、これには理由があるため、この先大きな売られが起こるとは限らないという。
それが起こるには、投資家が抱える「大問題」がまず解消する必要がある。

投資家は、何に投資すれば良いかという大問題を抱えている。・・・
すべての価格が歪んでおり、何に投資すれば良いかわからない。
身を守る選択肢がないために、暗号資産に買いが集まったり、株式市場にとどまったりしている。


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