投資

グッゲンハイム スコット・マイナード 多くの証券が値がつかない:スコット・マイナード

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、市場急落について弱気一色のコメントをしつつ、13日以降の米国株市場の注目点を解説している。


「多くの証券が値がつかない。
市場の流動性は、典型的なナッシュ均衡の問題にあると考えている。
つまり、市場は人為的に持ち上げられてきており、エグジットしたい売り手が存在する。
しかし、買い手はもっと低い水準で買いたい。
結果、クレジット市場は突然の急激な価格崩壊となったのだろう。」

マイナード氏がCNBCで米クレジット市場の現況を語った。
値がついていない状況にあるということは(状況が好転しないかぎり)今後値がつけばさらに価格が下がる(利回りが上がる)ことになるのだろう。
同氏は脆弱なセグメントとして、ハイイールドと銀行ローン、ABS、CLO、事業の証券化、航空機などを挙げている。

FRBはQEの時と同様イールド・カーブ全般にわたって買い入れを行っている。
・・・だからQEを行っている。
仮に米国が景気後退入りしていないと仮定しても、すぐにそうなるだろう。

FRBは資産買い入れの対象を短期証券だけでなく幅広いデュレーションに拡大した。
これにより、名実ともにこのオペはQEと同じものとなった。
先の金融危機に用いられた手法が再開された。
これは、あまりいい印象を与えないかもしれない。

マイナード氏は、景気後退入りが必至との見方を示した。
その上で、前回の危機時ほど政策手段が残されていないことを理由に、さらに大きな規模の手当てが必要になるという。

「私たちの分析によれば、経済の安定化には4.5兆ドル(500兆円弱)の資産買い入れが必要になる。
・・・
TARP(不良資産救済プログラム)は前回が7,000億ドルだったのに対し、今回は2兆ドル程度かかるだろう。」

これに比べ、大統領が提案した政策は十分でないと批判した。
また、経済と株価を売りにしてきた政権だったが、大統領就任時からの株価上昇分をほぼ消しつつあるとも指摘した。

これは、大統領選にも大きな影響を及ぼすのかもしれない。

大リーグ ロサンジェルス・ドジャーズの共同オーナーでもあるマイナード氏は、シーズン開催にも心配している。
3月28日の誕生日パーティーをドジャー・スタジアムで開けることを願っているというが、ドジャー・スタジアムのあるカリフォルニア州は4日から非常事態宣言が出されている。

「私は冗談を言うんだ。
『どこにもお金を使う場所がなくなってしまった。』
これは経済損失が人々の予想を大きく上回るであろうことを意味している。」

人々が外に出なくなり、需要が消えていく。
政府が財政政策を講じても、バラまき方がうまくなければ、需要の減った社会では効果がないかもしれない。

マイナード氏は、通常は景気後退は18か月程度続くと紹介するが、今回はもう少し悲観しているようだ。

問題は、一たび経済が打撃を受けるとコロナウィルスがなくなっても、航空業界ほかのような経済の屋台骨の弱体化が、消費者や企業に恒久的あるいは長期的な打撃を与えることだ。
だから、信頼感の立て直しにはしばらくかかり、とてもすみやかに元通りになるとは思えない。

マイナード氏は、この点を自身が株式に弱気である1つの理由に挙げている。
さらに、短期的なテクニカル分析上のポイントを解説している。
株価の引け値が2009年以降の上昇トレンドのちょうど上にあるとし、これを割り続ければ強気相場は終了すると分析した。
13日以降の注目点だという。

「スペイン風邪では、当時ダウ工業株指数の下落は約37%だった。
現在は28%だから、一度下げ止まるだろう。
しかし、私は2018年12月の底値に注目している。
そこが次の支持線になろう。」

マイナード氏は、ホーム・グラウンドであるクレジット市場について、デフォルトが多発すると予想する。
そうなれば市場は逼迫し、企業の資金調達は難しくなる。
しかし、それだけでなく、極端でパニック的なことが債券市場で起きているようだ。

債券市場はすでに扉を閉ざしてしまっており、最高の格付の債務者でも新規発行ができなくなっている。
信頼感が市場に戻るまで、債務や資本にアクセスできない。
でも、債務者が資本を求める唯一の理由は、マイナスのキャッシュフローを補うことにある。
市場はそれを寛容には見ないだろう。


-投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。