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夏以降FRBは覚悟を試される:ジェフリー・ガンドラック
2021年5月16日

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏は、FRBが主張するインフレが一過性とする見方について、確かではないと警戒している。


私たちの(予想)モデルによると、インフレはおそらく今後数か月上昇し、7月にピークを打つだろう。
もしも7月以降も上昇するようなら、みんな深刻に心配するだろう。

ガンドラック氏がYahoo Financeで、ダブルラインが誇るインフレ予想モデルによる予想を語った。
とりあえず7月に、ベース効果などの要因がピークとなり、インフレ(前年比)もピークを打つという予想だ。
ただし、一過性の要因が剥落するとしても、問題のないインフレ水準に落ち着く保証はないと考えているようだ。

FRBが実現しようとしているとおり、イールドカーブの全体で債券利回りよりインフレが高くなる時に、FRBは最も満足するのだろう。
だから、FRBは(足元のインフレを)一過性といい、人々に心配させたくないのだ。
しかし、現在の異常な環境で、どうやって一過性か否かわかるんだ。

FRBは労働市場を見て、金融緩和を継続したいと考えている。
金融緩和とは実質金利を実質中立金利より低位に保つ営みだ。
実質中立金利がゼロ近傍だとすれば、実質金利をそれより低く保つには、インフレを債券利回りより高くしなければならない。

そのための金融緩和はインフレ昂進を招くかもしれない。
FRBはそうならないと主張する。
しかし、ガンドラック氏は、サブプライム/リーマン危機において、ベン・バーナンキFRB議長(当時)が完全に状況を見誤った例を引いて、インフレが一過性と信じることはできないと示唆している。
仮に夏を通してインフレが上昇したままなら、債券市場はFRBの覚悟を試すことになるという。
外国勢・国内勢ともに過去より米国債保有に消極的になっている今、増発分を含めて買い手はFRBしかいない。
FRBはだぶついた米国債をすべて買い入れる覚悟があるか、その時試されることになる。
仮にFRBが強い覚悟を示さなければ、他の資産クラスにまで影響が及ぶという。

これら債券を吸収できなければ利回りは上昇し、短期のゼロ金利・長期の抑制された金利に依存する株式市場のバリュエーションにとって問題になる。

ガンドラック氏による資産クラスごとのコメントは以下のとおり:

  • コモディティティ: これまで強気だったが、すでに伸び切っており、一旦停止するだろう。
  • ドル: 長期はドル安だが、年末まで少し強くなるかも。
  • フィクストインカム: 1月から推奨している。
    銀行ローン等、変動金利の企業債務がよい。
  • 欧州株: バリュエーションと長期ドル安見込みから、6週間前に初めて買った。
    (日中を除き)外国株はもはや米国株に出遅れていない。
  • 新興国市場: 長期的には有望だが、医療の遅れがあり、まだ早い。
    今年はまだ良いパフォーマンスを上げないだろう。

ガンドラック氏は、市場全体に投機熱の鎮静化の兆しが見えるとして、例としてビットコインや(S&P 500と比べた)NASDAQの近況を挙げた。

私はいつも持続的なトレンドが終わり、多くの人に語られることなく転換するものを探している。
それがリスク増大のサインになる。
今、金利上昇のために市場のリスクが過去より増大していると感じる。


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