海外経済 投資

夏までに正常化、しかし・・・:バイロン・ウィーン
2020年4月8日

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、いつになく曖昧で弱気な見通しを語っている。


これはまだ終わっていない。
終わるまで長くかかる。

ウィーン氏が4月のウェブキャストで、コロナ・ショックからの回復には時間がかかると語った。
そう言いながらも、いつか大きなチャンスが訪れるとし、ブラックストーンが1,500億ドルのキャッシュを手にチャンスをうかがっていると話した。

私が思うのは、今年が失われた年になるということだ。
企業収益がいくらになるかもわからない。

ウィーン氏が重視するファンダメンタルズという物差しが機能していない。
過去の企業業績はもちろん使えない。
かといって、コロナ・ショックを織り込んだ業績も使えない。
投資とはフォワード・ルッキングな営みであり、過去の損失を過度に見てはいけない。
これではウィーン氏の魔法のDDMテーブルも使えない。
同氏は、過去にも大きな経済変動があった際に同様の状況になったことがあると話した。

こんなわけで、ウィーン氏の話は、過去の事例に頼った内容になる。
同氏は、今後の展開を予想する。

状況は改善する前に悪化するだろう。
希望的観測では夏までに回復し、正常に戻り始めるだろう。
ただし、ある期間はまだ緩めのロックダウンが継続するだろう。

ウィーン氏は、状況の底入れまで数か月との見方をしている。
これならすぐにV字回復もありうるのではないか。
残念ながら、ウィーン氏はそこまで楽観はしていない。
第2次大戦以降の景気後退の長さの平均が3.7四半期であると示しつつ、そう簡単に景気後退からは立ち直らないと暗示した。
その一方で、今回が平均的な景気後退になるとは思わないとも話す。

「底に達したら、急速に回復するだろう。
みんな底を打ったらV字回復というが、私は回復が急なV字が持続可能とは思わない。
Vの底を打ったら、長い時間をかけての緩やかな回復になるだろう。
2019年の水準に戻るまで数年を要するだろう。」

ウィーン氏は、景気回復に時間がかかるように、企業収益の回復にも時間がかかると予想する。
戦後S&P 500が前回のピークまでの回復に要した期間が平均3.5年である点を示しつつ、いつになく曖昧で悲観的な見通しを語った。

(企業収益が)戻るには時間がかかる。・・・
すべてが始まる前に戻るまで数年かかるだろう。

市場の下げが20%を超えたところで、投資家はこれが調整ではなく弱気相場であることを認めざるをえなくなった。
調整ならすぐに回復するが、弱気相場なら回復に長くかかる。
このジンクスには何の理論的裏付けもないが、往々にしてジンクスは市場心理を通して実現してしまう。
市場にはまだコロナ・ショックを例外と見て急回復を期待する人も多い。
相場はどちらの道を進むのだろう。


-海外経済, 投資
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。