投資

変わりえない来年のブーム:ポール・チューダー・ジョーンズ
2020年12月7日

ポール・チューダー・ジョーンズ氏が、来年第2・3四半期に経済ブームが訪れると確信し、それが市場に及ぼす影響を予言している。


「株式市場は、史上これまでなかったような財政・金融政策の組み合わせの動向とともに動いている。
こんなことはなかった。
だからこそ、PERが100を超える企業数が史上最高になっているんだ。」

チューダー・ジョーンズ氏が、米市場のバリュエーション上昇の背景を解説した。
同氏によると、PERが100を超える銘柄数が2000年のドットコム・バブルの頃より50%ほど多くなっているという。
ただし、だからといってバブル崩壊ばかりを想定すればよいというものではなさそうだ。

でも、2000年と比べるなら、当時実質金利は250 bp、名目金利は6%近かったのに、様々な企業でバリュエーションが高くなっていた。
それから今になり、今は実質金利がマイナス200 bp、名目金利がゼロだ。
テスラのPERは900倍だ。

チューダー・ジョーンズ氏は、現在の高バリュエーションの理由として空前の低金利を挙げている。

政府・中央銀行はインフレを望み、それを実現するために政策を実行している。
現金を持っていては将来インフレに負けてしまうと考えるのは自然なことだ。
そのため、インフレ分を取り戻すためにリスク・プレミアムを得ようとしてリスク資産を買っている。
株式はTINAトレードの有力な受け皿なのだ。

しかも、チューダー・ジョーンズ氏によれば、現在のお金の動きは選挙サイクルの中で過去も見られたものだという。

「今起こっているのは、選挙後の年、大統領選挙や与野党逆転・・・にともなう恐怖が去った後、現金がリスク資産に回帰していること。
多くの場合、ファンダメンタルズも関係なく、市場にリスク資本が戻ってくる。・・・
この傾向が続くと想定している。」

チューダー・ジョーンズ氏は、2021年以降の将来を大きく左右するイベントを2つ挙げている。
1つは将来を二者択一で変えてしまうこと、もう1つは変わりえないことだという。
同氏は前者として1月上旬に予定されるジョージア州上院選挙の決選投票を挙げた。
この決選投票により上院で共和・民主どちらが多数を獲るかが決まるからだ。
仮に民主党が獲るなら、大統領・上下院総獲りとなり、そうならないなら、ねじれ状態になる。
これが今後の税制・歳出等重要政策を大きく変え、投資にも大きな影響を及ぼすという。
下馬評では共和党が多数を維持するとの見方が多いが、チューダー・ジョーンズ氏は50:50と読んでいる。

チューダー・ジョーンズ氏が挙げたもう1つのイベントは、ワクチン接種にともなう経済回復だ。

「ワクチンは私たちを元に戻す。
経済成長に信じられないようなリバウンドが起こるだろう。・・・
私には4人20代の子供がいるが、彼らはゲートでスタートを待つ競走馬のようだ。
友達と食事をしよう、休暇を楽しもうと準備万端だ。」

これは誰もが共感するところだろう。
間違いなくペントアップ・デマンドは小さくないはずだ。
ただし、こうした市場予想が定量的にみて正しいかどうかは別ものだ。
共感できることにはとかく実際より強く織り込んでしまうのが人間だ。

しかし、チューダー・ジョーンズ氏は、素直にコンセンサスどおりの予想を述べている。

第2四半期は間違いなく小売のレベルで爆発的な状態になり、あらゆるレベルで大きなブームになる。
この帰結はかなり明らかで、フィクストインカムがその間おそらく下がる。
コモディティはおそらく上昇する。
これら2つのことは1月のジョージア州決選投票によっても左右されることはないだろう。


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