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売ってない。あと5-10%下げたら買う:ジェレミー・シーゲル
2022年2月1日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、とてもわかりやすくFRB金融政策の不整合を解説し、投資に関する考えを明かしている。


現在インフレは7%で、来週またインフレ率が公表されるが、私はさらに7%超に跳び上がると予想している。
FRBは2.5%のFF金利が2%のインフレと整合すると言っているのに、どうやって1%のFF金利で7%のインフレを止めることができるんだ。

シーゲル教授がCNBCで、FRBがほのめかす利上げが不十分であると指摘した。
昨年12月に公表されたFOMCメンバーによる長期予想では、インフレが2%、FF金利が2.5%とされている。
2%のインフレを維持するのに2.5%のFF金利が必要と見ているのに、現在の7%のインフレに対し年内高々1%あまりの利上げしか予想されていない。

「さらに、前回の記者会見でパウエル議長は、労働市場は史上最も強い水準に数えられると認めている。
強い労働市場と7%インフレという組み合わせは、FF金利を市場予想よりはるかに高くせざるをえないことを示唆している。
株式市場はそれに対する準備が完全にはできていないだろうから、この先いくらか険しい時になるだろう。」

シーゲル教授が必要と考える金融引き締めからすれば、FRBだけでなく市場もまた出遅れていることになるだろう。
先物市場が織り込む年内の利上げ幅はCME FedWatchによれば1.0-1.5%。
この幅の利上げでもインフレが十分に2%に近づかない展開となれば、市場はもう一段の調整を強いられるだろう。
これが教授が以前から「揺れ」と呼んできたものだ。
ちなみにシーゲル教授は年内の利上げを2%と予想してきた。

シーゲル教授は、こうした読みに基づき、投資に関する考えを述べている。

  • 長期的には弱気ではない。
    長期では市場はフェアバリュー。
  • 保有株は売っていない。
  • 少し現金を持ち、あと5-10%下げたら投資したい。
    「5-10%下げたとしても、パニックすべきでない。」
  • バリュー株を増やしている。
    長デュレーション株より利上げに耐えるだろう。
  • 短期売買はやらない。

シーゲル教授は、冒頭のインフレ率とFF金利の議論を実に巧妙に投資への示唆に言い換えている。

私が言っているのは単純なことだ。
FRBが2%インフレの世界で正常なFF金利を2.5%としているのに、7%インフレの世界でどうして1.0-1.5%への利上げを恐れるのかということだ。

シーゲル・ファンは大きなジレンマに陥っている。
もしも、教授の現状分析、つまり7%インフレと1.0-1.5%利上げの不整合を信じるなら、まだ強気で臨むべきとなる。
もしも、教授のあるべき論、つまりもっとはるかに利上げが必要との主張を信じるなら、いつでも逃げ出せるように用意しなければいけない。


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