増税の話をすれば金持ちがそろばんをはじき出す:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、民主党議員から提案されている極端な増税案について市場・経済への影響をコメントしている。
金持ちのそろばん勘定をうかがわせるところがあり面白い。


私たちはこの提案の背景にある問題については合意ができている。
資本主義が米国の大多数の人にとって機能するようにしなければいけない。

ダリオ氏がCNBCで、民主党左派アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員の増税提案について趣旨への理解を示した。
ダリオ氏は以前から、米国をはじめとする世界で進む格差拡大に警鐘を鳴らしてきた。
それに対する1つの提案が増税による所得の再分配だ。
オカシオコルテス議員の提案は、限界税率を最高で70%に引き上げろというもの。
最高税率は所得が10百万ドルを超える部分を想定している。

ダリオ氏はその趣旨を理解するものの、やり方についてはコンセンサスがないと指摘する。

「税率変更はインセンティブ、資本フローに影響し、市場や経済に大きな影響を与える。
みんなが考えているより市場に大きな影響を及ぼす課題だ。」

まさにその通りなのだが、少々お利口さん、あるいは官僚的な響きが否定できない。
ダリオ氏は金持ちの胸の内を代弁する。

「もしも70%の限界税率を課せば、影響を受ける人のほとんどは法人化して通常の所得をキャピタル・ゲインに変換すべきか計算を始めるだろう。
それをどう扱うか。
また、米国からの資本逃避にどう対応するか。」


本当にやる気があるなら、キャピタル・ゲイン課税も税率を引き上げればいいし、資本規制をかければいい。
要は、実現不可能と見透かしているのだろう。

この増税案については月初にアラン・グリーンスパン元FRB議長もコメントを求められている。
同氏の結論は「ひどい間違い」というものだった。

同様の再分配についてBloombergはロバート・シラー教授にコメントを求めている。
2020年大統領選出馬を目指すエリザベス・ウォーレン上院議員による資産税の提案についてだ。
同議員は世帯の純資産に対して、50百万ドルを超える部分に年2%、10億ドルを超える部分に年3%の課税を提案している。

これに対し、シラー教授は実現可能性はないと答えている。
米国の歴史において、増税は戦時にしか実現しておらず、それ以外は減税が進むものだからだ。
どうすべきかの話ではなく、米社会の特性として起こりえないと予想しているのである。
シラー教授は、増税ではなく、今後10年で格差問題が壊滅的なレベルに達した場合の対応策を合意しておくことを提案している。


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