国家は借金で豊かにならない:ピーター・シフ

Euro Pacific Capitalのピーター・シフ氏が、いっそう拡大しそうな米財政に危機感を示した。
歳出増が国家を貧しくしているとの主張だ。


米国は借金をして貧しくなっている。
米国は借金をして裕福になっているのではない。
借金をして破産への道を歩んでいるのだ。

シフ氏がポッドキャストで警告した。
米社会はあたかも財政ポピュリズムに陥ったかのようだ。
かつては小さな政府を望んでいた共和党がトランプ大統領と組んで大規模財政刺激策を講じた。
減税は従来の共和党の主張通りだが、歳出増は真逆の方向性だ。
メキシコとの国境に壁さえ作ろうというのだから驚くばかりだ。
この塀さえあれば、さぞかし米国の生産性は向上するのだろう。

一方の民主党は相変わらず積極財政を唱えている。
こちらの使途はまだましなのだが、財源に対する意識が希薄だ。
特に左派にはモダン・マネタリー・セオリーなどの奇説を用い、青天井の借金を許容しようという考えまである。
中道が集票力を失い、極端主義者が歳出増を唱えて支持される状況となっている。


「2018年、国家債務は1.27兆ドル増えた。
2005年に3.1%の成長を買うのに要した金額の倍以上だ。
・・・
これから学ぶべきは、成長を買うのには大きなコストがともない、このやり方が持続可能でないということだ。」

リバタリアン的な考えを持ち、かつて共和党から上院議員を目指したこともあるシフ氏は、安易な財政拡大は持続不可能と主張する。
財政政策の効果、とりわけコスト・パフォーマンスが大きく低下しているからだ。

経済が成長するパーセンテージよりも多く債務を増やさなければいけない。
つまり、私たちはこのいわゆる経済成長の結果、裕福になっていない。
債務が経済より早いスピードで増えるなら、裕福になっているのではなく、貧乏になっている。
債務や経済成長がなかった場合の方が裕福だったのだ。

もちろん財政支出とは経済成長を支えるためだけになされるものではない。
社会に必要なものの整備、助けるべき人を助けるための再配分も必要だ。
そうした部分は直接には経済成長に寄与しないかもしれない。
シフ氏の算数はその意味でやや厳しすぎるようにも思える。
しかし、こうした人がいなければ、それはそれで国は危うくなる。
なにしろ概して人々は自分以外の財布で無駄遣いするのが好きなのだ。


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