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ハワード・マークス 困難な時も頭脳を明晰に保つには:ハワード・マークス
2021年2月9日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、バリュー投資に関する誤解を説明したほか、レバレッジをかけた投資が望ましくない理由を述べている。


たくさんの人が、バリュー投資を低価格と混同している。
多くのモノは、それに値する完璧にもっともな理由で価格が低くなっている。

マークス氏が韓国WOW TVで、1月に公表した「Memo」の趣旨について説明した。
低いPERにも高いPERにもほとんどの場合もっともな理由があるとし、単純に株価倍率で売買を行うのがバリュー投資の趣旨ではないと釘をさした。

投資家の仕事とは、投資する対象の質と価格のバランスを見ることなんだ。
店に服を買いに行くのと同じことだ。
どんなに良い服かを見て、値段に見合っているかを判断するはずだ。

他の銘柄と株価倍率等を比べても大した意味はない。
セクターも事業も千差万別であり、倍率が違うのは当たり前だからだ。
比べるべきは、対象の価値とそれについている価格だ。
価値より安い価格のものに投資をするのがバリュー投資の趣旨であるはず。

その意味で、マークス氏は以前から、すべての投資はバリュー投資であるはずとも述べている。

ただし、こうしたバリュー投資の原則は現在脅かされているのかもしれない。
ほとんどすべての資産で《価値<価格》となる局面もないわけではないからだ。
そうなると、投資することを迫られている機関投資家は相対的な思考を始める。
少しでもましなモノに投資しようというわけだ。

マークス氏は、ロビンフッド投資家に象徴される小口投資家の活発な売買が市場を動かし始めたとの見方に反対意見を述べている。

「3月23日といわれる底値からの株式市場の回復はとても強く、おそらく一部の人々を興奮させたのだろう。
理由はどうあれ、いわゆる小口投資家がより流行しているとの話が聞かれている。
個人的には、それが市場に大きな影響を及ぼすとは思えない。
市場の水準が小口の投資によるものとも、小口投資家の心変わりが市場を壊すとも思わない。」

確かに、小口投資家の集合が市場を動かしているという話には無理がある。
それが小口である以上、とうてい市場全体を動かすものにはならないはずだからだ。
小口投資家の中に隠れて、プロや富豪が売買しているのでなければ、大型株まであまねく動かす力にはならないだろう。

一方でマークス氏は、小口投資家がリスクテイクを膨らませる傾向にある点には懸念を示している。
同氏は、投資家に対し、資力の中での投資にとどめるよう奨め、その理由を説明した。

投資にとって最も重要なことの1つは、困難な時にも明晰な思考を維持することだ。
もしも自分以外の人のお金で投資をしたら、返済しなければいけないお金を借りて投資したら、例えば、市場が崩壊した時に良い株式を保有するのが難しくなる。
借金で投資をすれば、感情を排するのが難しくなる。


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