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ブラックロック 回復期のポートフォリオ戦略:ブラックロック
2020年4月3日

資産運用の世界最大手ブラックロックのラス・ケストリッチ氏が、弱気相場でのポートフォリオの舵の切り方について示唆に富む発言をしている。


テクニカル面で改善が見られる。

ケストリッチ氏が1日引け後のCNBCで、市場が落ち着きつつあると話した。
株式市場では、強制売り・デレバレッジなどがかなり進展し、ボラティリティがやや低下したと指摘。
クレジット市場では、数週間前よりはるかに状況が改善したという。
現在の行ったり来たりは、大底を形成するための通常のプロセスだと説明した。

ブラックロックでは先週、ラリー・フィンクCEOが長期投資家にリスク・テイクを増やすよう奨めている。
コロナ・ショック後を見据えた強気スタンスだ。
ケストリッチ氏もこうした見方を共有しているようで、いくつか理由を挙げている。

  • クレジット市場:
    「1つの経験則は、株式市場より先にクレジット市場が底を打つことが多いこと。・・・
    クレジット市場ではそれが始まっている。」
  • 欧米でのウィルス感染: 減速が見られる。
  • 株価バリュエーション: 以前よりはるかに安い。

ケストリッチ氏はバリュエーションについて、どの指標を用いて高い安いと見るかの議論は実務上あまり有益でないという。
重要なのは、ボトムアップで良い銘柄を探すことだという。

ワースト・シナリオを想定してもバーゲンになっている企業を見つけることだ。
そうなれば、市場に持続的に資金が戻ってくるはずだ。

塊で高い安いを議論するのではなく、塊の中からお宝を探すことが重要なのだ。
最近の下落で、以前よりそうした銘柄が見つけやすくなっている。

先行きに強気な見方を示す一方、ケストリッチ氏は「不確実であることを認識しないといけない」と気を引き締める。
不確実性に耐えるあめ、ポートフォリオに工夫を加えているという。

  • 株式: クォリティ重視
    「要塞のようなバランスシートで、一貫した収益性を保てるもの」
  • ヘッジ:
    「正直にいうと、いつもではないが、うまくいった。
    金がうまくない時、米国債がうまくない時があった。
    でも、第1四半期に上昇したものを見れば、上昇を予想した米国債、独国債、米ドル、日本円、金だった。
    まだ大きなリスク、大きな経済の不確実性が存在し、これらヘッジをまだポートフォリオに組み込んでおくべきだ。」

具体的に有望と考える銘柄・セクターは、コロナ・ショック前からほとんど変わらないという。
それらが、コロナ・ショックからでも恩恵を受けると期待されるからだ。
具体的なセクターとしては、テクノロジー、ソフトウェア、医療、特に医薬関連サービス、メディア、エンターテインメントを挙げている。

ケストリッチ氏は、今後もパッシブ運用が増加する可能性があるとしながらも、足元の相場はアクティブ運用、銘柄選択の相場だと話す。
有望なセクターやセグメントを見つけたとしても、その中に勝者・敗者が出てくるだろうからだ。
危機においては、この勝敗が極端になりかねない。
敗者の中には退出を迫られるものも出てくるだろう。

ケストリッチ氏は、今回の弱気相場が終わり、次のサイクルが始まる局面について興味深い予想を述べた。
通常のファクター戦略等にかかわる経験則が機能しない可能性があるためだ。

注意すべきは、弱気相場の底では通常バリューを積み増し、景気循環株を積み増す。
これは、ペントアップ需要とともにV字回復することが多いためだ。
今回の回復はそうはならないと思う。


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