問題の原因の政策で問題を解決しようとしている:ピーター・シフ

Euro Pacific Capitalのピーター・シフ氏が、赤字ユニコーン企業のIPOの意味するところを解説している。
誤った政策が経済に問題をもたらし、その対処に再び同じ政策が用いられる連鎖を悲観している。


こうした株を買った人たち、これはとてもとても危険なゲームだ。
誰も将来どうなるか予見できない。

シフ氏がポッドキャストでウーバーやリフトへの投資のリスクを警告した。
ユニコーン企業の中には巨額の赤字を計上しながらも上場し、巨額な時価総額を実現する企業がある。
ウーバーやリフトがその典型だ。
リフトは上場後株価がさえず、10日上場のウーバーも初値・初日終値ともにIPO価格を大きく割り込んだ。
リフトのIPOを見ていながら、ウーバーはなぜIPOに踏み切ったのか、シフ氏は分析していた。

「ウーバーがIPOを急ぐ理由は、リフト株価がさらに下げる前にIPOしたいからだと私は言ったはず。
・・・
同じ事業の競合相手として、リフトの価値はウーバーの価値のよい近似値になるんだ。」

ならば、リフト上場の記憶が薄れるまで時間を置くという選択肢はなかったのか。
シフ氏の分析は辛口だ。

「それ(IPO延期)は大きなリスクだったんだ。
待ちすぎればドアが閉じてしまいかねなかった。
リフト株はそれほど大きく落ちる可能性があって、そうなればウーバーは上場できない可能性があった。」


シフ氏はIPOというイベントには、一般人が退職資金などの投資にその銘柄を加えてよいとするお墨付きのような意味があると指摘する。
だから、企業は上場する前に、その事業モデルが持続可能で、利益を計上しうることを証明すべきと主張する。

そこに疑問が残る銘柄が次々と上場している。
おそらく、待ちすぎれば(自社業績はともかく)景気・市場自体が下降局面に入りかねないと見ているのだろう。

シフ氏は、FRBが人為的に金利を抑え込んでいない、正常な金利のもとでは、こうした赤字企業が上場することはなかったはずと主張する。

「これらはとてもとても投機的な株なのに、ウォール街はさも公衆に適しているかのようにお化粧している。
それが可能な唯一の理由はFRBであり、この人為的な金利の抑圧だ。
これがすべての悪しき意思決定、すべての誤った資本の配分につながっている。」

ある程度の水準にある金利がゾンビ企業を淘汰する機能があるのは事実だろう。
淘汰が進むことで、資本の配分はより効率的なものに近づくのかもしれない。
少なくとも、資本コストがタダに近いような状況よりは資本主義のメカニズムは間違いなく機能するはずだ。

何も悪いのはFRBだけではなかろうに、シフ氏の批判はFRBに向く。
それは、過去の政策だけでなく、将来の政策にまで及ぶ。
失策が生み出す問題を再び同じ失策で糊塗する永久の連鎖だ。

皮肉なことに、次回の景気後退期、FRBはそれを行うと言っている。
景気後退は過去にFRBが犯した誤りの結果なのに、FRBは自らが作った問題に対する対応策として同じ誤りを繰り返そうとしているんだ。


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