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史上最高値へのシナリオ:ジェレミー・シーゲル
2020年5月29日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、お家芸の強気予想の中身と根拠について語っている。


流動性が流れ込み、株式を全体的に押し上げる。
それが経済再始動の上昇のように見えれば、投資家はテクノロジー株を離れ小型株・ダウ構成銘柄に移る。
再始動がそれほど速く進まないと見られれば、逆に動くだろう。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、米国株市場で想定するシナリオを提示した。
最近の世界経済の再始動とテクノロジー株の一服は、1つ目のシナリオを彷彿とさせる。
教授らしいのは、いずれのシナリオでも強気である点だろう。

「史上最高値更新はあるかと訊かれた。
今日はない。
今年なら? S&P 500はかなりの確率でありうる。
第2波がなければとの条件付きだが、第2波がないとする理由も多くありそうだ。」

今回は年内と指定して最高値更新を予想した。

他のセクターよりアンダーパフォームしている金融株の見通しについて質問されると、シーゲル教授は、大きく巻き返すと予想した。
教授は、現状多くの銀行が簿価を割り込んでいる主な理由を2つ挙げる。

  • 「低金利が永遠に続く」とする見方の存在:
    低金利のため利ザヤが長期的に圧迫されるとの思惑。
  • 中小企業への打撃:
    中小企業は銀行依存が高く、中小企業貸出が不良化すれば銀行が傷む。

シーゲル教授の経済回復シナリオでは、FF金利こそ長く低く維持されるとするものの、貸出金利に影響するLIBOR、SOFR、長期金利などは上昇すると想定している。
貸出金利は預金金利より早く上昇する傾向があり、金利上昇局面で預貸利ザヤが拡大するのはよく知られた傾向だ。
つまり、金利が上昇するなら銀行には有利になる。
シーゲル教授は、上記の2つの理由が現実のものとはならないと考え、金融株は大きく上昇すると予想している。

永遠のブルの強気はやまない。
普通なら敬遠されてしまいそうなほどの強気なのだが、そうならないのは、シーゲル教授が過去実際に当ててきたことに加え、いつも相応のファクトを示しつつ主張するからだろう。
この日の興味深いファクトは、コンファレンスボードの消費者信頼感指数だ。
26日発表の5月の同指数は86.6と、前月から0.9ポイント改善し、下げ止まった。
もちろん、下げ止まったといっても、コロナ前と比べれば惨憺たる水準だ。

シーゲル教授は、この数字の読み方を解説する。

それでもオバマ政権の8年の平均より少し高いんだ。
歴史上最大の失業率急騰、最大の失業保険申請、最大のGDP下落があっても、消費者信頼感指数はオバマ政権の8年の平均より高い。
これは、潜在性、経済の回復力、米消費者の潜在的回復力を示しているんだ。

消費主導の経済で、その消費を行っているのがキリギリスの国では、アリの国より経済が噴き上がりやすいのだろう。


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