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グッゲンハイム スコット・マイナード 台風の目にいるうちに準備しろ:スコット・マイナード
2020年10月27日

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、現在のやや凪いだ経済・市場環境を無駄にせず、凪の後に来るだろう将来に備えるよう奨めている。


嵐のヘリでは風雨は緩慢で、真ん中に向かうにしたがって強さが増していくが、目に入るとまるで嵐がないかのように感じられる。・・・
でも、最悪の時はまだやってくる。

マイナード氏が自社のブログで、現状を「嵐の目」(日本人なら台風の目だろう)に喩えている。
足元こそ市場は凪ぎ、経済も回復基調にあるものの、今後再び波乱が起こりうると警告している。
いつか目を外れ、再びすさまじい暴風雨に見舞われかねないというのだ。
マイナード氏はいくつか潜在的リスクを挙げている。

  • 財政刺激策実施の不透明性
  • 冬に向けたコロナ感染の拡大
  • 大統領選を取り巻く不確実性

また目を離れた後の展開をいくつか予想している。

  • クレジット: デフォルトや格付引き下げ(とりわけフォールン・エンジェル)が起こる。
  • 株式: レンジを離れる時はまず下方に向かう。
  • 債券: レンジを離れる時は利回り低下の可能性(特に投資適格債)。
  • 長期金利: まず40 bpへ、年内に10 bpへ。
    それでも諸外国と比べると高く、外国投資家が買う。

これらを見ると、マイナード氏が近々リスク・オフの動きが起こると予想していることがわかる。
信用状態の悪化、株式の下落を予想する反面、リスク・オフゆえに比較的安全な債券が買われると見ている。
そして、下落するとみるリスク資産についても、金利が低下するゆえに相対的な投資妙味が生じるのだという。

今後、リスク資産が下落すれば、再び買いのチャンスになると予想している。
私たちは常にあらゆる機会で良い利回りを確保することに努めている。
金利の軌道を考えると、来年、再来年、債券が満期を迎えたりコールされたりすると、ポートフォリオの利回りが徐々に浸食されていってしまうからだ。
最終的には10年債『利回り』はマイナス50 bp、投資適格債が1%前後になる可能性がある。

マイナード氏が「『利回り』」をかっこ書きしたのは、マイナス利回りを利回りと呼ぶことへの抵抗のためだろう。
それほど米市場でも利回りは低下している。
そして、マイナード氏は、さらに低下すると予想している。
今後、再投資の先がどんどん低利回りになるという意味であり、だから皮肉にもリスク資産を検討せざるを得ない。

マイナード氏は、現状の大規模な拡張的金融政策の継続を確実視している。
実際、それが金融市場の機能を保つのに役立っているとし、他に手段はないとも書いている。
金融市場の機能が維持されることは重要だし、それにより恩恵を受ける経済主体もある。
一方で、もちろん損をする経済主体もある。
投資家はその最たるものだ。

金利に敏感な、保険会社・年金・地方自治体は、この結果や超低/マイナス利回りが長期的なリターン見込みにとって意味することに準備する必要がある。
嵐の目とは一息つくためのところではなく、何が次にやってくるかに準備するための機会なのだ。


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