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ジョセフ・スティグリッツ 古臭い小売店は救うな:ジョセフ・スティグリッツ
2020年7月8日

ジョセフ・スティグリッツ教授が、コロナ・ショック対応における支援・救済策についてやや意外な注文を付けている。


「短期的な優先順位は危機の当初から明白だった。
ウィルス封じ込めなくして経済回復はないのだから、一番明白なのは、医療面の非常事態に(防護具・病院収容能力の適切な供給を確保するなどにより)対処すること。
同時に、最も必要とする人たちを保護し、不要な破産を避けるために流動性を供給し、労働者と企業の間の結びつきを維持することが、時が来た時に迅速に再始動するために必要だ。」

スティグリッツ教授がProjedt Syndicateで、コロナ・ショック対策における短期的優先順位を説いている。
多少の差はあっても、このあたりの考えは、一部大統領らを除けば、世界のコンセンサスといえるのだろう。

ところが、スティグリッツ教授はこの後、やや意外性のある主張を展開する。
それは「不要な破産」とは何かに関係する。
何が不要な破産なのか。
誰がそれを決めるのか。
この疑問に答え、多くの人々から支持を得るのは容易ではないかもしれない。

スティグリッツ教授は言う。

私たちは、古臭い小売店のような、危機前からすでに凋落していた企業を救うべきではない。
仮に救えば、単に『ゾンビ』を生むだけで、最終的にダイナミズムや成長を限定してしまう。
同様に、債務過多の企業がショックに耐えられるようにするために救済するのもいけない。

コロナ・ショック以外に原因のある破綻を救うべきでないとの主張である。
多くの人がこれを正論と認めるだろう。
ただし、いつも弱いものに寄り添うスティグリッツ教授からこの言葉が出ることには少々意外性があるのではないか。
この議論が正しいと感じていても、同意しきれない人も多いだろう。
なぜなら、現在のような景気環境は、破綻する企業・人々にことさら厳しく当たるだろうからだ。
教授の主張とは逆に、総じて各国政府は一律に先例のない規模の救済策を講じている。

スティグリッツ教授はあくまで正しいことしか言わない。

FRBが資産買入れプログラムでジャンク債市場の支援を決めたことはほぼ間違いなく誤りだ。
実際、現在はモラル・ハザードが重大な懸念となる局面であり、政府は企業をその愚かさゆえに陥った窮状から救うべきではない。


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