南ア:格付引き下げで通貨下落・資金流出の危機

S&P Global Ratingが24日、南アフリカの自国通貨建て債務格付を投資適格のBBB-からジャンク級となるBB+に引き下げた(見通しは安定的)。
同じく投資適格のBaa3としていたMoody’sも引き下げ方向での見直しを発表したほか、すでにジャンク級BB+としていたフィッチは安定的な見通しとして据え置いている。

S&Pの引き下げは、経済と財政の見通しが一段と悪化したとの見解による見直しだ。
南アでは10月、Malusi Gigaba財務相が経済成長見通し・財政赤字・政府債務の悪化を示唆していた。


12月には与党African National Congress(アフリカ民族会議、ANC)が党大会を予定している。
ここではJacob Zuma大統領の後継者選びが行われる。
ANCでは党内での権力争いが絶えず、喫緊の課題とされてきた経済立て直しが遅れている。
さらに、権力の移行にともなう先行きの不透明感が嫌気されている。
格付会社各社はANC党大会や予算案の内容を注視しているという。


格付引き下げを受けて、南ア財務相は「2018年予算で財政の枠組みを強化するための決定的かつ具体的な政策手段を示す」と表明、信用不安を払拭しようとしている。
南アの公共・民間セクターは資金調達を大きく海外に依存している。
S&Pの格付引き下げで、南アの資金調達コスト上昇は必至だ。
さらにムーディーズが格下げし投資不適格とすれば、グローバル債券指数から南アZAR建て債券は外され、機関投資家の多くは自動的に投資対象から除外するだろう。
これは、調達金利上昇のみならず、通貨ランドの下落につながる。

25日のZAR/USD相場
25日のZAR/USD相場

25日南ア・ランドは対ドルで約2.6%、対円で1.9%超下落した。
ランドは少し前までは日本人投資家にとっても人気の高金利通貨だった。
これら多くは国際機関や外国銀行が発行体となっているため、今回の格付引き下げが信用リスク増大につながるものではない。
しかし、金利上昇・ランド安が定着すれば、ランド建て債券価格の下落、円換算額の下落を被ることになる。


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