加藤出氏:江戸と平成のインフレ政策

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出口のない日本

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 仮に、現在のマイナス/ゼロ/超低金利の中でも政府が財政規律を緩ませないばかりか、財政再建を進めたとしたら何が起こるだろう。
財政再建はインフレ抑制的に働くだろうし、債務圧縮を通して金利上昇を許容できる余地も増えていくだろう。
こうした楽観シナリオは、財政拡大を唱える上げ潮派の論理そのままだ。
このシナリオの難しいところは


  • 上げ潮派のいうように手前で財政出動を繰り返せば、上げ潮の前か同時にインフレ・金利が上昇し、その後のシナリオの実現が難しくなる。
  • 甘言にまどわされず財政規律を守れば、そもそも上げ潮が起こらない。

多くの人が、日本は詰んでいるといっているのはこうした考えからだろう。
ジョセフ・スティグリッツビル・グロスPIMCOアデア・ターナージム・ロジャーズマーク・ファーバー、・・・
枚挙にいとまがない。
顔ぶれを見ると、利害を度外視して思ったことを言う人が多いように思う。
実際、日本が財政破綻に至るかどうかは定かではないが、現時点で自然に単純に考える限りは分が悪いということではないか。

マネタリー・ベース拡大だけではインフレは起こらなかった

さて、財政規律についてもう少し考えよう。
量的緩和が進むのに財政規律が保たれる場合、なぜ問題とならないのか。
その場合、政府・日銀の連結ベースである「統合政府」の考えから見れば借金が増えないからだ。
形式的に国債と日本円を交換し、利払い・償還と国庫納付金によって政府・日銀間で帳尻を合わせるだけのこと。
日銀の当座預金や政府預金の残高は増えるだろうが、そんなものが増えたからと言って大きなインフレも金利上昇も起こらないことは異次元緩和の結果が如実に語っている。

こうした形だけの交換にはたいした意味がないと述べたが、それは量の観点での話だ。
金利の観点から言えば、市中の国債を買い入れることの意味は大きい。
日銀が国債市場をコーナーに追い詰めたことで、国債利回りは人為的に低位に保たれている。
(もちろん自然利子率が低いのも一因だが、それだけで今の低金利を説明するのは不十分だ。)
そして、このマイナス/ゼロ/超低金利については功罪相半ば、あるいは、罪が勝ってきているというのが世界の見方のように思う。
とりわけ、加藤氏の指摘する政府の財政規律の緩みは重大だし、同時に民間の財政規律の緩み(安易な投融資判断)も看過できない問題であろう。