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アスワス・ダモダラン 創造性のあるバリュー投資を:アスワス・ダモダラン

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、あらためて古いスタイルのバリュー投資が有効でないと語っている。


みんなが快く受け入れないのはわかっているが、古い時代のバリュー投資は怠惰で愚かだ。
つまり、PERを見て、それに基づいて投資して、報いられようとすることだ。
そういう時代は終わった。

《バリュエーション学校長》とも称されるダモダラン教授がCNBCで、株価倍率などに注目する古いバリュー投資が通用しないと話した。
教授は以前から単純すぎる古いバリュー投資の時代が終わったと宣言し、新たなバリュー投資に必要となるポイントを提案してきた。
決して企業の根源的な価値を発見しようとする努力が不要になったというわけではない。

引き続き価値について考えていかなければいけないが、創造性を持って考えないといけない。

最近の実績や近い将来の業績予想から計算した各種倍率だけで銘柄の今後のキャッシュフローを把握できるとは限らない。
事業活動が新たな進化を遂げると予想されるなら、それもバリュエーションに織り込むのは当然のことだ。

一方で、ダモダラン教授が促すような新たなバリュー投資を実践するには、銘柄ごとの精緻な分析が必要となる。
もちろんそれは最終的には必要なことだろうが、ほとんどの投資家にとって、すべての銘柄に対して行えるような作業ではない。
だからこそみんな通用しないとわかっていても「古い時代のバリュー投資」から離れられない。
少なくとも最初の段階のスクリーニングの方法としてはある程度有効と考えているのではないか。

それでも現在は特に、バリュー投資家がダモダラン教授の指摘を重く受け止めるべき時だろう。
パンデミックによる景気後退が底打ちし経済が急速に回復する中、単純に経験則に頼ってバリュー有利と見る人もいるのかもしれない。
しかし、教授のいうように古いバリューがすでに終わった手法なら、経験則どおりのバリュー上昇とならない可能性もある。

今回のダモダラン教授の主張は、単に手法の限界に注目しただけではなさそうだ。
現在置かれた、パンデミック収束期(?)、インフレ上昇期(?)といった特殊な環境を意識しているようにも感じられる。

昨年やっていたこと、現在の事業モデルだけでなく、事業モデルが変化しているという事実を受け入れないといけない。
伝統的なバリュー指標から見て良く見えないが、現在まだ良いバリュー投資である企業も存在する。
すべての人に向けて言えることは、古い指標に頼ることはできず、それから離れるべきということだ。
世界は変化しているんだから。


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