ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、従前どおり強気予想を展開するかたわら、米市場の話題をさらっているGameStop騒動については大きな関心を示さなかった。
一番重要なのは、民主党が数十億ドルに近い規模の刺激策の法案の議会通過に踏み出したことだ。・・・
19億ドルとはならず15億ドル程度になると予想しているが、これは火に油を注ぐことになる。
今日燃えている火ではなく、将来燃える火だ。
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、従前からの強気予想を繰り返した。
5日発表の雇用統計は内容こそ悪かったとしながらも、これは過去を示す数字にすぎないと強調。
新規感染者数が減少、ワクチン接種が加速しているとして、年央までの経済再開を予想した。
将来、経済・市場にブレーキを踏みうるインフレや金利についても、概ね従前どおりの見方だ。
特段、これを(株式に対する)大きなリスクとしては語っていない。
「最近のデータを見ても、賃金上昇(対前年比)は予想の5.0%を0.4%上回り5.4%だ。・・・
一部のコモディティで供給不足が起こっている。・・・
これは、年後半の半ばにもっとも顕著になるだろう。」
シーゲル教授は、GameStop等で起こったショート・スクイーズについて「おそらくSNSで作られた最初のショート・スクイーズ」と称した。
ただし、あまり重視しているようには感じられない。
これは新しい現象だが、スクイーズはもう200年も起こってきた。
だから、これはニュースじゃなく枝葉だ。
市場全体のメイン・ストーリーにとって重要なものではなく、サイド・ストーリーの1つにすぎないとの見方だ。
その一方で、当局の対応が不可避としつつ、やり方に注文をつけている。
「これによってたくさんの人が損するだろうし、すでに損をしている。
これをカバーしていない法律がどうなるのか注視すべきだ。
将来の状況を改善するため、間違いなく変更が行われるが、最小限に留まるよう願っている。」