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利下げ期待は過剰、株価は調整へ:ブラックストーン

Blackstoneのジョー・ザイドル氏が、市場の過度な楽観を警戒している。
市場は好ましい材料を完全に織り込み、好ましくない材料を無視しているのだという。


市場は今、不確かな崖を見渡している。
ファンダメンタルズは第2四半期の新高値を正当化せず、ボラティリティ低下について警戒しなければいけない。
(ファンダメンタルズに期待する)代わりに投資家は中央銀行に望みを託し、企業収益の弱さ・経済成長鈍化・貿易問題・インフレ懸念・地政学的要因を無視している。

ザイドル氏が顧客向け月次書簡で市場の楽観に警戒感を示した。
年初、抜きん出て強気だったブラックストーンの今年の株価予想は年前半であっさりと消化されてしまった。
では、後半でさらにいくらか上がるのかというと、そうでもないらしい。
ザイドル氏は年間の予想を上方修正するつもりはなさそうだ。

株価の最も簡単な理論式《利益÷割引率》を思い出そう。
市場はどうやら分子に目をつむり、分母にばかり期待をかけているようだ。
つまり、典型的な金融相場の様相なのだ。

「企業収益は低下しつつあり、世界の経済成長は主要な多くの経済で急停止しつつあり、デフレ傾向が見え始め、貿易戦争が長引き、地政学的緊張が高まっている。
要するに、投資家はすべての希望をFRBをはじめとする世界中の中央銀行に託している。
市場がさらに1ドル上げるということは、市場が与えた台本に文字通り中央銀行が従うことを市場が確信しているということだ。」

ザイドル氏は誤解のないよう断りを入れている。
弱気相場を予想しているのではない。
強気相場・景気拡大が終わると言っているのでもない。


「しかし、市場は『ちょうどよい』ゴルディロックス・シナリオを織り込んでいるのではなく、完璧を織り込んでいる。」

金融政策ばかりに目をやって市場が上げているとの指摘だ。
しかも、市場は小さくない利下げを見込んでいる。
リスク資産が好調で、株価が史上最高値を試している中でだ。

さて、ザイドル氏は上記の通り経済にデフレ傾向が見え始めていると指摘している。
しかし、ここの議論はそう単純なものでもないようだ。

「グローバリゼーションと自由貿易が世界中でのインフレ低下の一因となっていると議論されている。
現在、貿易戦争と内向きのポピュリズムに現れている脱グローバリゼーションが、同じくデフレ的と議論する人がいる。」

バランスよくチクりとやったわけだ。
ザイドル氏はいずれが正しいかは言及せず、もっと差し迫った問題に話を移す。
それは庶民の手には届かなくなりつつある住宅価格だ。
長く続いた極端な金融緩和が米住宅市場を高位に押し上げた。

「住宅価格高騰と借家市場のひっ迫はまもなくインフレに上昇圧力を及ぼすだろう。
結局のところ、住居関連はCPI計算上60%の重みを占めるんだ。」

ザイドル氏は住居以外でも、主要な項目である衣服・輸送の分野が脆弱性を増していると指摘する。
これら分野が関税やサプライ・チェーン分断の影響を受けやすいためだ。
ザイドル氏は、インフレがじきに上昇すると予想する。
インフレが上昇する中でFRBが75 bpもの利下げをするだろうかと問いかける。

ボラティリティは上昇し市場が調整すると予想する。
しかし、投資のチャンスが待っていることを考えれば、すべてが悪いニュースではない。
ここから10–15%の調整は健全というべきであり、ショーの一部なんだ。


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