利上げは遠く次は追加緩和:早川英男氏

日本銀行元理事の早川英男氏が、次の日銀の政策変更は正常化ではなく追加緩和になる可能性が高いと示唆した。
追加緩和となれば、日銀当座預金の付利引き下げではなく、マイナス金利での企業融資などを考えるべきと話した。


日銀の20年度の物価上昇率の見通しは1.4%にすぎず、(超低金利状況の)長期化は避けられない。
それどころか米国が今後、景気後退に陥って金融緩和に動けば、日銀も円高株安を防ぐため、追加緩和を迫られる可能性がある。

早川氏がSankeiBizのインタビューで話した。
同氏の予想どおり、日銀が今後数年のうちに意味のある大きさの金融緩和の巻き戻しを行えると考える人はほとんどいるまい。
景気拡大が長く続いたため、仮に最後に打ち上げ花火が揚がるような景気拡大があったとしても、その後速やかに景気が後退を始めると見る人が多い。

レイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーターなどは、今後の米景気が急悪化ではなく長い時間をかけてじりじりと悪化していくと予想している。
1990年代の日本を彷彿とさせる不吉な予想だ。
日本経済や日米の市場についても推して知るべし。
だらだらと下落する相場は投資家にとって最も始末が悪い。


景気後退が現実のものとなれば、各国とも下支えのための景気刺激策をとらざるをえない。
日米などは必ずしも財政状況がよくないから、財政政策のスペースは限られてくるだろう。
ならば、やはり金融政策に期待がかかってしまう。
米FRBはFF金利誘導目標を2.25-2.50%まで引き上げ済みだから、少なくとも2%あまりは利下げ余地がある。
一方、日銀はすでにマイナス金利政策をとっており、長期金利ターゲットも0%。
日本でも金利をマイナス圏に沈めることへの反対意見が根強く、追加緩和の余地はほとんどない。

量的緩和についてはバーナンキのジョークで示されているとおり、量(マネタリー・ベース)を増やすだけでは効果はない。
期待に働きかけることが1つの可能性だが、米国についてはケネス・ロゴフ教授、日本についてはポール・クルーグマン教授が、オッズは高くないと示唆している。
また、日銀の検証によれば、量的緩和で実施される長期国債買い入れが長期金利を(少なくともある期間)引き下げるとされている。
これは強力な金融緩和効果を持ちそうだが、日本の場合、長期金利はすでにゼロ近傍にあり、社会がマイナス金利を受け入れないなら拡大が難しい。
長期金利まで深くマイナス圏に沈めれば、金融システムに不測の事態が起こりかねないとの懸念は少なくない。

(次ページ: 残された追加緩和は何か?)


ページ: (1) (2)

 - 国内経済 ,