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利上げの現実を知って市場にショックが走る:ウィリアム・ダドリー
2021年12月2日

ウィリアム・ダドリー元ニューヨーク連備総裁は、市場が今後のFRBの利上げ幅を過小評価しており、どこかのタイミングで金融市場にショックが走るだろうと予想している。


「FRBは大きく出遅れている。
経済が過熱しているのに、まだ金融政策を強化している。」

ダドリー氏がBloombergで、これまでのFRBの対応の遅さを指摘した。
もっとも、先月30日にはすでにパウエル議長はそれを認め、テーパリングの早期終了の可能性に言及している。
ダドリー氏は、この変更により、早ければ来年3月にも利上げが始まる可能性が出てきたと推測している。
ただし、それでもまだ数か月は資産買入れが続くため、FRBの出遅れも続くことになる。

みんなFRBがインフレを制御するのは簡単だと過大評価している。
FRBが3-4回引き締めればインフレがなくなるとは考えられない。
FRBは、経済の過熱を防ぐために経済を大きく鈍化させるだけ引き締めなければならない。

ダドリー氏の算数は単純明快だ。
FRBの考える短期の中立金利は2-3%。
経済の過熱を防ぎ、インフレを制御するには、FF金利を2-3%よりかなり高いところまで引き上げないといけない。
ところが、この点について、今回はFRBではなく市場の方が楽観しすぎているという。

「市場の反応で興味深いのは、市場はFRBが出遅れているようには振舞っていない点だ。
市場が予想するFF金利のピークは1.50-1.75%にすぎない。
これはとてもインフレの現状やインフレ・リスクへのFRBの反応の遅さと整合しない。」

つい最近まで市場は出遅れるFRBの先回りをしているようなところもあった。
しかし、それは、利上げ開始のタイミングについてだった。
利上げの最終地点(FF金利のピーク)については、市場の方が楽観的だ。
大幅な利上げなどできないとFRBの足元を読んでいるのだ。

ダドリー氏は以前から、インフレ退治には大幅な利上げが必要になると警告してきた。
結局、現在の市場の楽観も後に打ち砕かれると予想する。

市場はどこかの段階で大きく価格を付け直すことになろう。
FRBはおそらく人々の予想より速く行動せざるをえなくなり、人々の予想より高いところまで利上げせざるをえなくなる。
それが少し金融市場にショックを与えるだろう。


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