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分岐点が近づいている:モハメド・エラリアン
2019年11月15日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、世界各国で経済政策について選択の時が近づきつつあると話し、あわせて世界の株価についてコメントした。


ある点を超えると(超低金利は)あらゆる行動を歪め、うまく機能する経済・市場と相いれないものになる。
・・・例えば欧州では、すでにその点に到達している。

エラリアン氏が豪ABCで、金融緩和が行き過ぎて有害となることを心配した。
同氏は中央銀行を、治療法を持たない医者に喩える。
できることは痛み止めによる時間稼ぎだけだ。
時間稼ぎの間に何かをしなければいけない。

「中央銀行は生産性をどうかすることはできない。
人材の再戦力化をどうすることもできない。
インフラ整備をどうすることもできない。
彼らができるのは資産価格、株式や債券の価格を押し上げることだけだ。」

FRBは資産効果に賭けた。
みんなが豊かになれば支出が増え、企業も投資を増やすだろう。
しかし、それが思うほどに機能しない。

唯一機能したのは、資産価格を押し上げたことだった。
誰が資産を保有しているのかと言えば、金持ち、裕福な人たちだ。

結果、金融緩和は副作用の1つとして格差拡大を引き起こした。
そして、中央銀行は行き詰った。

「反生産的だから追加緩和はできない。
市場不安定化のリスクがあるから巻き戻しもできない。
とても不快なところに置かれており、各国中央銀行に同情する。
かれらの失策ではないんだ。」

エラリアン氏は、中央銀行に任せきりにするのではなく、時間稼ぎしてくれている間に他の政策にバトンタッチすべきだったと指摘する。
より包括的な政策へのバトンタッチがあれば、これほど金融政策が伸び切り、副作用が問題にならなかったはずと話す。
エラリアン氏は、バトンタッチについて選択する時が近づいているとし、それを「T字路」と呼んだ。

「もしもよりよい包括的政策対応へのバトンタッチが起これば、それがどんなものかわかっているが、経済成長は改善し、高い資産価格が正当化されていき、金融市場の混乱の可能性が小さくなる。
さらに、政治プロセスの正常化が進むだろう。
もしもバトンタッチが起こらなければ、景気後退・金融不安定・さらにより複雑な政治状況が起こる。」

この判断が遅れるほど悪い結果となる確率が増えるといい、現時点の確率は悪い結果60:良い結果40だという。

エラリアン氏は世界の株式についてもコメントしている。
世界の株価は割高圏にあるとし、調整の可能性を語った。

50%を超える確率で(世界の株価は)大きな価格調整を迎えるだろう。

ただし、下落幅については予想しなかった。
これは、FRBプットやFOMO(取り残される恐怖)の影響を受けるためだ。
しかし、こうした下支え要因も絶対に継続するものとは言えないと示唆している。

もしも中央銀行の政策の効果がなくなる、あるいは反生産的になっていると考えられるようになれば、投資家の状況は変わるだろう。


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