ヘイマン・キャピタルのカイル・バス氏が、久しぶりに日本をディスっているが、どうやら本当の目標は中国にあるようだ。
日本円はアジア通貨にとって『炭鉱のカナリア』のような存在だ。
黒田 日銀総裁はいくつか『無制限の』とても大っぴらな債券買入れオペを行ってきた。
The yen is the proverbial canary in the coal mine for Asian currencies. BOJ Governor Kuroda has engaged in several “unlimited” and very public bond buying operations. Their Faustian bargain on rates has two major problems that act simultaneously against Japan: 1. Every bond 1/6 pic.twitter.com/WPOGIODLbL
— 🇺🇸Kyle Bass🇺🇦 (@Jkylebass) April 28, 2022
バス氏が4月28日ツイートした。
同氏は日銀の金融政策が3つの現象を引き起こしていると指摘する。
1つ目は、量的緩和で円がどんどんシステムに供給されること。
2つ目は、先進各国の金利差拡大により、安い円が外国に向かうこと。
ここまでは私たちがこの数か月見てきたことだ。
3つ目の危険で長く拡大する問題は、日に日に日銀の信認が失われていくことだ。
円の最近の『無秩序な』動きが、統制への信認を打ち砕く。
(今起きているのは)一たび円が完全に動揺したと市場参加者により認識されれば、市場の力がパニック 😱 を引き起こしうるということ。
一たび「統制」への信認が失われれば、日本経済はカタストロフィに陥り・・・他の世界通貨に大きな波及効果を及ぼすだろう。
懐かしい。
バス氏といえば、10年ほど前、日本国債売りのポジションを取り、さかんに日本の財政赤字を取り上げ、ポジション・トークを繰り返した人物。
日銀が国債を買入れたため、国債が価格を大きく下げることはなかった。
ただ、国債価格の代理で円相場が大きく下落した。
結果的にバス氏が話したそのままではなかったものの、同氏は大きな利益を上げて日本売りのポジションを閉じた。
そのバス氏が、久しぶりに日本に牙を向けている。
ただし、真の標的はもはや日本ではないようにも見える。
膠着してきた通貨ペアは急変し、より『市場ベースの』水準に向かうだろう。
この地殻変動は、重要な資源(食糧・エネルギー・素材)を日々輸入しなければならない国にとって深刻な害を及ぼす。
次は香港・中国だ。
バス氏はこの数年、中国売りを手掛けてきた。
日本売りとは異なり、こちらはあまり成功したという話を聞かない。
日本が崩れ、それが中国に波及することを望んでいるように見える。
もっとも、中国と日本では経済も政治もずいぶんとおかれた状況が異なるようにも見える。
さて、バス氏の円についての目下のポジション・トークはこうだ。
円に注目だ。
イールドカーブ・コントロールが発動される度に、変動しながら150、180、200円超へと向かっていく。