海外経済 国内経済 投資

円は間違いなく安い、極度に過小評価された通貨:ゴールドマン
2022年1月10日

ゴールドマン・サックスのザック・パンドル氏は、2022年を通して緩やかなドル高を予想するものの、円については弱くなる方向を予想している。


これ(FRB金融引き締め)が今後6か月ドルを押し上げ、もう少し行くかもしれない。
しかし、年を通しては昨年よりインフレ圧力が和らぐ可能性が高く、FRB利上げは3-4回ぐらいで済むかもしれない。・・・
つまり、世界経済が成長し、FRB(引き締め)が緩やかなら、年を通せばドルはゆっくり減価していくことを意味している。

パンドル氏がBloombergで、今年のドル相場について予想した。
「コンセンサス外の意見」と認めた上で、1年を通せばややドル安になるという。
他の中央銀行が金融引き締めに動いていることも、ドル高が一服する材料と付け加えた。

先進国市場で概して起こっているのは、コロナとの最終決戦を加速し・・・
それが市場に成長予想を上方修正させ、欧米ともにイールドカーブの長期側の金利を少なからず上昇させることだ。
これが起こると、円安になる傾向がある。

バンドル氏は、過去の世界経済の回復期において日米欧で起こってきたパターンを解説した。
往々にして米国が回復の先鞭をつけ、欧州が追随し、最後に日本がそれに加わる。
ドルが最初に利上げされ、円が最後になるので、円安ドル高となりやすい。
過去この円安ドル高は日本の経済界からも市場からも好感されてきた。

バンドル氏は、今回もパターンが進みつつあると話す。

「ドル円は金利差ととても整合的に上昇している。
まだ少し米国債利回り・欧州金利に上方リスクがあるだろうから、ドル円はさらに緩やかな上方リスクがある。
すでに大きく動いたが、米金利が上昇を続ける限り、円は押され気味だ。」

これは、中期的な景気サイクルの話であり、定石通りのことが起こっている。
一方、それとは異なるホライズンの議論もありうる。
バンドル氏は昨年、円を「比較的割安といえる数少ない古典的な安全資産」とし、長期的なドル円のフェア・バリューを1ドル95円と紹介したことがある。
今回も長期のホライズンでの見方は変えていない。

「円は間違いなく安い。
長期的視点からすれば、極度に過小評価された通貨だ。」

昨今、円安が賃金や物価の国際比較とともに議論の的になっているのは周知のとおりだ。
現在の円安は、少なくとも1つには日銀の金融緩和によって支えられてきた「過小評価」といえる。
問題は「過小評価」が解消する時がやってくるのか、いつなのかにある。

今回パンドル氏にそうしたシナリオを想定している様子は見られない。

長期に集中する投資家、バリューに集中する投資家は、現水準の円に興味を持つかもしれない。
しかし、金利に対する見通しが転換しない限り、上昇を始めることはないだろう。

パンドル氏は中国人民元についてもコメントしている。
中国で金融緩和姿勢が強まろうと、元高要因も多く、元高継続を予想している。
今後12か月のドル/人民元の目標は6.20だという。


-海外経済, 国内経済, 投資
-, , , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。