ジム・ロジャーズ氏が、リスク回避のための通貨として、従来どおり米ドルを挙げた。
一方、日本円についてはさほど望ましい退避場所ではないという。
日本は人口が減少し、債務は40年間上昇を続けている。
ロジャーズ氏がDaylyFXで、次の危機的状況における退避先について言及した。
同氏の持論は米ドルだ。
経済が混乱すると米ドルが買われる傾向があるからだ。
一方で、日本円は低金利通貨であるためにリスク・オフ時に買われやすい傾向がある。
実際、リーマン危機や東日本大震災でも円はドルに対しても買われた。
今後も日本円がリスク回避の避難場所になるとの見方は根強い。
しかし、ロジャーズ氏の見方は異なり、円がそれほどよい避難場所にはならないと考えているようだ。
その根拠は、先述の日本の人口オーナスだけではない。
日銀は無制限な量マネーを印刷するといってきた。
私の人生で、どんなに自暴自棄でも、そんなことをいった中央銀行は他になかった。
ドルを推す投資家が円にダメ出しする。
もちろんドルに有利な点は多いが、一方で円に有利な点(例えば経常黒字)がないわけでもない。
まさに、目くそ鼻くそを嗤うとはこのことだろう。
どちらが勝つかはドル円レートとして明確に表示されることになろう。
それ以上に、投資家は目くそでも鼻くそでもない通貨を探すべきだろう。
ロジャーズ氏は、ビットコインに対してかなり明確なダメを出している。
高いボラティリティから、支払い手段としては使えないと話している。
通貨と投機対象とは異なるものとし、通貨としての発展の可能性を否定した。
「これは通貨としての現実的な用途はなく、安定した価値の保存・交換の手段を置き換えるものではない。」
暗号資産が投機対象とはなりえても、通貨にはなりえないといっているのだ。
多くの暗号資産は、投資家を引き込むために通貨を自称しているのだろうから、投機熱が終わればほとんどの勝負はついてしまうのだろう。
さらにいえば、多くの投資家はそこまで理解した上で暗号資産を買っているのだから、それはそれでいい。
騙しや不正をなくしてくれれば、それでいい話だ。
ロジャーズ氏は、破綻に追い詰められた国がチャンスになりうると述べている。
終わってしまった国家に投資すれば、5-6年後に金持ちになれる。
ロジャーズ氏はベネズエラ、北朝鮮を例に挙げた。
以下、従来と変わらない発言:
金融緩和への批判: 誤った金融政策のためにとんでもないつけを払うことになる。
無能なプレーヤーを救う政策になっている。
破綻させるべきものは破綻させ、さっさとやり直すべき。
人生最悪の弱気相場到来: 世界中で債務は2008年以降拡大している。
中国でさえ債務問題を抱えている。
米ドル: 経済が混乱すると買われる。
バブルになるかもしれない。
金: さらなる金価格の調整を待っている。
経済の混乱で金・銀が下がり、米ドルが上昇すれば、米ドルを金・銀に替える。
ビットコイン: 自分は売買したことはない。
暗号資産を好む人は政府より賢いが、政府は銃を持っている(いざとなれば権力でつぶされる)。
最大の教訓: 人に流されず、自分で調べ考えろ。好奇心と懐疑心を持て。