グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、米金利のさらなる低下を予想し、債券投資のデュレーション長期化を進めている。
ありそうにないように見えるが、テクニカル分析が現在示すのは、30年債のターゲット利回りが1%、10年債利回りが0.25%ということだ。
株式は調整に近い領域にあり、さらにダウンサイドがありそうだ。
マイナード氏が27日顧客向けメモでさらなる長期・超長期金利低下の可能性を示唆した。
マイナード氏は今市場で起こっていることを数週間ではなく数か月から数年というスパンで見ているようだ。
同氏の見方は、新型コロナウィルスという外生的なイベントが、すでに存在していた脆弱性を顕在化させたというように響く。
すでに米市場は景気・市場サイクル終期だったところに、金融政策正常化にブレーキが踏まれた。
9月にはレポ市場の反乱に耐えかね、FRBバランスシートが再拡大を始めることとなった。
この形のQEが、私が全部バブルと呼ぶものを生み出した。
実質的にすべてのセクターが昨年上昇したからだ。・・・
今明らかにリスク資産の全部バブルが萎む危険にさらされている。
現在起こっているのはウィルス騒ぎだけではなく。もっと長いスパンのストーリーが隠れていると匂わしている。
マイナード氏の短期的な市場見通しは悲観的だが冷静だ。
「いったんはS&P 500で3,000のあたりに支持線があり、10年債利回りは1.25%あたりで止まった。
当面は、株や債券が落ち着くか価格上昇するかして、両方とも反発すると予想している。
・・・当座はパニックが続く。」
27日、S&P 500は3,000を少し割り込んだところ、10年債利回りは1.25%を少し割り込んだところで終わっている。
ここから反発があるのかどうか、まったく予想がつかない状況というべきだろう。
マイナード氏は、コロナウィルスについてはまだ最悪の状態が終わっていないと考えている。
その一方、投資家には「一息ついて次の動きを評価すべき時」と書いている。
グッゲンハイムの目下の投資行動はこうだ:
私たちは金利低下の可能性に備えデュレーションを長期化するため、質が高くデュレーションの長い資産を可能な限りたくさん、合理的な利回りで買おうと努めている。
しかし、3%の利回りを実現するのは難しそうだ。
短期的に反発がありうるにせよ、もう少し長いスパンでは金利低下を想定しているのだろう。
すでにおどろくほどの低金利でも、長期債等を買い入れると宣言している。
将来どんどん今より利回りがとれなくなると読んでいるのだ。
マイナード氏には、すでに景気後退の影が見えているのだろう。
間違いなく、景気後退の確率は急速に高まっているが、私たちは準備ができている。・・・
間違いなくこの先危険が起こる可能性があり、それが危機に転じれば、おいしい『チャンス』を探すことになる。
もうそうなのかもしれない。