投資

全部がバブルじゃない:デービッド・アインホーン
2021年1月27日

デービッド・アインホーン氏率いるグリーンライト・キャピタルが、昨年の成績を振り返り、最近のバブル的な事象の背景にある投資家の行動を説明している。


グリーンライト・キャピタルのファンドの2020年のリターンは5.2%だった。
S&P 500は18.4%。・・・
第4四半期のリターンは25%。
グリーンライト史上最高の結果だ。

グリーンライトの投資家向け書簡によれば、2020年もアインホーン氏にとって厳しい年になったようだ。
バリュー投資でヘッジファンドをやるというのだから、うまくいかなくても納得がいく。
2020年も株価は上昇した、つまりショート側は厳しい環境だったのだし、同年は同社が認めるとおり「バリューが歴史的アンダーパフォーム」した年となったのだから。

その中で第4四半期の好調は何が寄与したものだろう。
書簡によれば、ロングが+42%、ショートが-15%、マクロが+1%寄与したとされている。
つまり、市場が上昇する中でロング側が寄与したわけだ。
これではアインホーン氏らしくない。
ちなみにファンドの平均エクスポージャーはロングが134%、ショートが70%だという。
引き続きロングに頼らざるをえない市場環境なのだ。
書簡では意図にも触れている。

私たちはインフレ上昇、強い住宅市場、金利上昇を見込んだポジションを採っている。
概してこうなるなら、バリュー株は最近のアウトパフォーマンスを継続するだろう。

では、なぜ2020年もグリーンライトは振るわなかったか。
言うまでもなく、テスラのショートが効いている。
誰もがバブルと認めるテスラ株の上昇に立ち向かい続けたのだから、アンダーパフォームして当たり前だ。
書簡では「テスラ車が流行したのではない・・・流行したのはテスラ株の保有だ」と強弁している。
その言い訳なのだろうが、言い訳にしておくにはあまりにも興味深い分析を披露している。

すべてのテクノロジー株がバブルだとは思っていない。
どんどん増えつつある『話題の銘柄』がバリュエーションから切断され、バブルになっていると信じている。・・・
これがPSR 20倍というばかげた株価で売買されているのはなぜかという疑問を投げかける。・・・
その答は、ある銘柄が専らバリュエーションに無関心な投資家によって保有されているということだ。

書簡は3つの「バリュエーションに無関心な投資家」を列挙する。

  • 意図して考慮しない: 例:インデックス・ファンド。
  • 考慮する能力がない: ロビンフッド投資家。
    「このグループの多くは、100ドルの株を『高い』株とし、5ドルの株を『安い』株と考えている。」
  • 考慮しないことを選択した: 割高・割安を議論しても役に立たないと考える。
    例: モメンタム・プレーヤー。

こうしたバリュエーションを考慮しないプレーヤーが値動きのよい銘柄に集中し、バブルを形成しているという主張だ。
局所的に理解しがたい熱狂が起こっている現在をよく説明しているようにも感じられる。
この分析でさらに興味深いのは、インデックス・ファンドへの疑問点を再び提起している点だ。

実際、ある程度ある株式が割高になると、インデックス・ファンドはさらに買い増すことを要求される。
パッシブ投資が圧倒的になったことで、パッシブ・ファンド投資家はもはや価格を受け入れる側でなくなり・・・価格を形成する側になった。
ファンドの需要が価格を決めるのだ。
私たちの考えでは、価格を受け入れるのでなく価格を形成するというのは、パッシブ投資の全体の前提に疑問を投げかけるものだ。


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