債券王ジェフリー・ガンドラックの驚愕の推奨:次の不況はドル安に

債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏のCNBC出演第2弾。
「王」と呼ばれる投資家からは予想しにくい投資推奨が語られている。


「今のムードでは、中央銀行がインフレを大きく引き上げ、金利を引き下げ、金利をインフレ率よりはるかに低位にして実質金利をマイナスにするのを基本政策にしているとの意識が広まっている。
先進国における債務問題が金融システムに現れ始めたことを理解し始めたんだろう。
日欧での銀行株の不振は、マイナス金利以来持続している。」

ガンドラック氏がCNBCで長期的な金融政策のトレンドを解説している。
言葉の定義は別として、先進各国の債務拡大が金融政策に制約を与えつつある。
金利水準を高くしてしまうと財政の持続性が失われてしまうのだ。
だから、低金利の幅の中で金融政策が運用されるようになり、それは銀行の収益を悪化させる。
これが金融政策の効果を削いでしまう。

ガンドラック氏は、先進各国がこの構図から抜け出せなくなっていると指摘する。

奇妙に背反することだが、長期的な問題が短期的な解決策によって悪化している。
マイナス金利が銀行システムにとって致命的という長期的問題に対する中央銀行の対応策が、奇妙なことにマイナス金利の深掘りになっている。

ガンドラック氏は、米国について、トランプ大統領が自らこの状態を望んでいると指摘する。
1つは為替の問題だ。
大統領がドル高に不満を持っているのは有名だ。
FRBに利下げを求める大きな理由もこの点にある。
利下げさせて諸外国との金利差を縮小し、ドル安にしたいと思っている。

ガンドラック氏はもう1つの観点を指摘する。

大統領はなるべく多くの債務、なるべく多くの借金を望んでいる。
ゼロ金利/マイナス金利によって際限なく債務を増やすことを望んでいる。

皮肉なことに、債務拡大を容認してでも財政出動を望んでいるのは民主党も同じだ。
ガンドラック氏は、大統領選の結果いかんにかかわらず米財政は悪化傾向になると予想する。
これは、債券市場にとっては大問題だ。

「次の景気後退期、債券の供給が極端に増えるだろう。
その時が将来の何年かのポートフォリオ配分を考える基本的なスタート点になる。
次の景気後退期、市場にあふれる債券をどう扱うかが現実の課題となる。」


問題は、FRBや米財務省が債券市場をある程度コントロールし続けられるかにある。
そして、私たちはつい最近いやな先例を見てしまった。
今週初めに起こった短期金利急騰だ。

540億ドルがこうした短期調達市場で金利急騰を引き起こした。
来る景気後退期に3兆ドルの長期債が供給されたら何が起こるか。

かつての金融政策では、短期金利は中央銀行が決め、長期金利は市場(経済)が決めるとされていた。
しかし、今では短期も長期も中央銀行が決めうるとの考えが広がっていた。
ところが、コントロールがより簡単なはずの短期金利で不測の事態が起こった。
長期金利側で何かあったらどうなるかと心配するのはもっともなことだろう。
壊滅的なことを予想する理由はないとしても、数百bp程度の上昇があっても驚くことではあるまい。
逆に、名目経済成長率が4%近辺の経済で長期金利が2%を切っていることの方が奇妙だ。
むしろ問題なのは、金利上昇の中身だろう。

どうやらガンドラック氏は、金利上昇の中身についてあまり良くないもの、おそらく財政インフレを予想しているようだ。

財政赤字が爆発的に増えるにしたがい、ドルが下落すると予想すべきだ。
次の景気後退でドルは下げると予想すべきだ。
これこそが、資産配分を考える上での基本となることだ。

一部の終末論者を除けば、世界中のほとんどの投資家は米ドルをリスク・オフの際の逃げ場所の1つと考えているはずだ。
現時点で主要準備通貨としてのドルの地位は揺らいでいない。
危なくなればドルが買われると思われている。
しかし、ガンドラック氏はこれが次の景気後退期に揺らぐと見ているのだ。

ガンドラック氏は、投資における大きな主役交代を解説する。

  • 1980年代: 日本と日経平均の時代
    バブルが弾けると、30年経っても下げたまま。
  • 1990年代後半: ユーロ圏の時代
    2000年、欧州市場は崩壊し、20年経っても下げたまま。
  • 2005-07年: 新興国市場の時代
    世界金融危機で「殺戮」され、下げたまま。

言うまでもなく、2009年以降は米市場の時代だった。
ガンドラック氏は長期的なポートフォリオ配分についてこう推奨する。

次の景気後退では同じパターンが繰り返すだろう。
米国が打撃を受け、他の市場をアンダーパフォームし、ドル安になる。
この理由から、6-8年の長期計画を練る上では、少しずつゆっくりとドル以外の投資対象、米国以外の株式市場へ配分していくべきだ。


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