投資

債券王の3つの投資哲学:ジェフリー・ガンドラック
2020年1月16日

債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、あるインタビューで自身の投資哲学と自社の投資検討手順について明かしている。


損失を和らげること、致命的なリスクを回避すること、ほとんどの人たちより長いホライズンを持つことだ。

ガンドラック氏が昨年11月に行われたLitman Gregoryのインタビューで、基本的な自身の投資哲学を3つ挙げた。
同氏は徹底的に市場の状況を調べ上げ、その時々の分析を語る印象が強い。
つまり、同氏についての報道は時事的な内容になることが多い。
こうした投資哲学についてクローズアップされるのは珍しい。
ガンドラック氏は投資に携わる上で何を考えているのだろう。

まず「損失を和らげること」とは、投資家へのスチュワードシップにかかわることだ。

「人様のお金を運用する時は下落に本当に注意しなければいけないというのが、長年で学んだことだ。
これが自分のお金ならたいして気にしない。
私が自分のお金で何かを買って30%下がっても、今後30年ほどで200%上がると思うなら、気にしない。
でも、他人様のお金なら、マイナスの結果への寛容には限度があると考えないといけない。」

投資家の財産を運用する上で最善の努力をするとともに、運用成績がマイナスになればファンドの存続が危ぶまれかねないという含意なのだろう。
2つ目は、フィクスト・インカム投資家らしい、リスクに対する慎重なスタンスだ。
ガンドラック氏は、ダブルラインのカルチャーを「臆病」と表現している。

「可能な限りすべてのリスクを洗い出す。
実際には3つしかないリスクを10ぐらい洗い出している。
でも、だからこそ、フィクスト・インカムの世界でうまくやってこれたんだと思う。」

債券・ローン等の世界には(正常債権の場合)アップサイドはほとんどない。
一方、ダウンサイドが実現した場合、それはかなり良くないことを意味する。
損を取り返すのは難しく、だからこそフィクスト・インカムの投資家は慎重の上にも慎重になる。

「この世界は多分に減点法の科学だ。
フィクスト・インカムでは、儲けはゆっくり、損はあっという間に進む。
致命的なリスクを回避することがとても重要なんだ。」

最後が、投資のホライズンを長く持つことだという。

「私の結論は、人のお金を運用している人たちのほとんどが、短すぎるホライズンで仕事をしている。
毎週、戦略について会議をしていると聞くが、それは悪いアイデアだ。
枝葉末節に気を取られ、小さな動きにこだわりすぎている。」

こうした基本的な投資哲学にのっとり、ダブルラインでは「シナリオ分析」と呼ぶ手順を決めているのだという。
これは30-35年前にガンドラック氏が考案した手順なのだという。

「世界がこうなったらこの資産ミックスに何が起こるか、逆に動いたらどうなるか理解しようとする。
これは、多くの人が投資ビジネスについて思い描いているのとはかなり違うだろう。
多くの人は、何が将来起こるか極めて高い確率で予見しそれにすべてを賭けるというように考えている。
それは・・・うまくいかない。
ルーレットで『00』が出るようなものだ。」

画一論的な予想・投資実行ではなく、確率論的な見方をすべきということだ。
このあたりは、ダブルラインを設立当初からサポートしたハワード・マークス氏と通じるところがある。
ガンドラック氏は、もう1つ重要な手順を話している。

同時に、間違えたら何が起こるかを検証しておく。
私たちの的中率(的中:間違い)は産業平均よりかなり高い。
70%が的中するが、それでも30%は間違えるんだ。


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