政治

債券王の黙示録:ジェフリー・ガンドラック
2020年1月19日

ジェフリー・ガンドラック氏のLitman Gregoryインタビュー第3弾: 2027年までに米社会に根本的な変化が起こると予想している。


この人口動態の変化の一側面は社会的緊張だ。
・・・実に至る所で見られる。

ガンドラック氏がインタビューでの質疑応答で、米社会の分断について触れている。
同氏の米社会への洞察は的確だ。
権力者や金持ちに視野の狭い人が見受けられる中、社会の底辺まで見渡す広い視野を持っている。
だからこそ前回の大統領選挙において誰よりも早くトランプ勝利の可能性を指摘することができたのだろう。

ガンドラック氏がここで触れたのは富や所得の格差ではない。
世代間の分配の格差だ。

私が35歳以下の従業員にベビー・ブーマーへの態度を尋ねたら『大嫌い』という声が多いだろう。

ベビー・ブーマーとは1946-64年頃に生まれた世代を指す。
この人たちが今若者から嫌われている。
自分たちが次の時代に多くの負の遺産を残しつつあるのに、それにさえ気づかず、現実も空気も読めない説教を垂れるためだ。
最近では「OK、ブーマー」(「もうわかったからいいよ、ベビー・ブーマー」の意)という言葉まで生まれ、Tシャツなどグッズまで作られるほどの流行りぶりだ。

ガンドラック氏は、この現象を解説する。

ある人がいて、その人の人生はある種だめな経済学そのものだった。
景気後退、サブプライム/リーマン危機、不動産で損したなど。
若い世代は、意識の表面ではなく潜在意識かもしれないが、それが債務によるものだと認識している。
その債務ベースの政策が若い世代を困らせていることを知っている。
日に日に確立された制度への信頼を失っていく、それが今の政治環境なんだ。

意図したかどうかは別として、引退世代が恩恵を受けた結果、現役世代以下に負担がよる。
こうした一連の世代間の負担の押し付けを金銭の断面で切り取ったのが「債務」の付け回しである。
金融政策であれ財政政策であれそれは「債務」によるものであり、将来の恩恵の先食いの性格が強い。
若い世代はそれに憤っているのである。

世代間の戦争が起ころうとしているんだと思う。
若い世代の未来のための投資より引退世代のためにとてもたくさんのお金を使うような政策は捨て去らなければならない。
その比率はとても悪い。
65歳超のために使うお金は25歳未満のために使うお金の8-9倍だろう。
驚くべき膨張だ。

この戦争は正しく戦われるのだろうか。
日本人なら、そこに確信は持てまい。
日本でも一足先に同じ問題が起こった。
その時、日本人が選んだ戦い方は、新旧世代が連合して財務省やかつての日銀を敵に回し、債務を拡大することだった。
債務を拡大すれば後に若い世代、これから生まれてくる世代の負担になるのに、それでも彼らは債務拡大を歓迎した。
若い世代はそれほど困り抜いていた、無力だった、あるいは無知だったのだ。
同じ轍を踏むかどうかで、米国の将来は(少なくとも時間軸は)大きく変わってくるだろう。

ガンドラック氏は1997年に出版された『フォース・ターニング 第四の節目』という書籍を紹介した。
歴史は繰り返し、各段階にはパターンがあるとする本だ。

「著者は米国で2006年に信用危機が起こると予言した。
かなり当たっている。
・・・
私たちが今いる第4の節目ではすべてを捨てやり直さなければいけない。
終末論のようにとらえないでほしいが、過去の第4段階は南北戦争と第2次世界大戦。
それほど悪くない。」

ガンドラック氏は、驚くほど短い時間軸で米社会が変化すると予想している。

私はみなさんにほぼ保証できる。
所有関係、税制、私たちが経済を見る見方は2027年までに完全に引き裂かれることになるだろう。


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