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債券を買いたいとは思わない:ビル・グロス
2024年1月10日

かつて債券王の異名をとったビル・グロス氏が、10年金利についてツイートしている。


債券については(利回り)4%の米10年債は割高で、1.80%の10年物価連動債の方がよい選択だ。
債券を買わなければいけないならね。
私はそうは思わない。

グロス氏が9日ツイートした。
(ちなみに、昨年10月、グロス氏は株も債券もパスしたいと言っていた。
今回も株は裁定に限定して取り組んでいる。)

グロス氏は昨年8月、10年債利回りが4.15%だった頃、同価格水準を「割高」と話していた。
FF金利の先行きを2.5-3.0%と仮定し、過去の期間プレミアム平均1.35%を足すと当時の利回り水準だった。
グロス氏は2.5-3.0%の仮定が楽観すぎるとして、価格が「割高」と述べたのだ。

昨年10月、10年債利回りが5%に向けて上昇していた頃、グロス氏は同水準を「そこそこお値打ち」と話していた。
FF金利の目的地を3.0-3.5%と仮定し、期間プレミアムを1.00-1.25%と見ると、当時の水準が説明できたためだ。
実際、グロス氏は有言実行、利回りがオーバーシュートしたところで買いを入れ、その後の金利低下の途中で売り、小金を稼いでいる。

昨年8月から見て、割高(金利が低すぎ)だったのが割安(金利が高すぎ)になり、再び割高(金利が低すぎ)となって、少し戻したのが今なのだ

米10年債利回り(青)、物価連動債利回り(赤)、ブレークイーブンインフレ率(緑)
米10年債利回り(青)、物価連動債利回り(赤)、ブレークイーブンインフレ率(緑)

また、昨年10月の段階でグロス氏は、ブレークイーブンインフレ率が安定、漸減している点に「驚き」を示していた。
インフレが2%目標まで低下する可能性は低いと見ていたのだ。

今回のツイートで、固定金利より物価連動債の方がよいとしたのは、インフレが許容範囲まで下がる可能性を引き続き低く見ているのだろう。

グロス氏は長い間長短逆転したイールドカーブについても言及している。

イールドカーブが10年2年で正イールドに戻るとの予想を維持しろ。
待っている間はキャリーを稼げばいい。

主に景気鈍化による2年債利回りの低下の方に賭けろというメッセージだろう。
短期側の方が利回りがいいのだから、待つ間はよい利回りでキャリーを稼げばよい。

米10年債利回り(青)、2年債(赤)、スプレッド(緑)
米10年債利回り(青)、2年債(赤)、スプレッド(緑)

釈迦に説法だが、長短逆転したイールドカーブが正転すると景気後退シグナルになるという、かなり確度の高い経験則がある。


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