投資

債券はバブル、最も安いのはコモディティ:ジム・ロジャーズ
2021年5月11日

ジム・ロジャーズ氏が、多くの資産クラスについてコメントし、自分が投資で成功を収めたやり方について語っている。


債券は間違いなくバブルだ。
債券は歴史上どこでもこれほど高かったことはない。・・・
コモディティは現時点で世界で最も安い資産クラスだ。

ロジャーズ氏がInside Wirtschaftで、資産クラスごとの割高・割安感を話した。

概ね従来通りの内容だ。
その他、投資対象に対するコメント:

  • 不動産: 一部地域(ニュージーランド、ソウルなど)でバブル。
  • 株式: 多くの市場、一部の銘柄でバブルになりかけている。
  • 旅行業: 中国旅行会社、航空会社(ルフトハンザ、アジアの銘柄)を買った。
  • 農業: 農業インデックスのETN(RJA)に投資。
  • 米ドル: 混乱時に買われると見て、買い持ち。
  • 金・銀: 今は買い増していないが、調整があれば買い増したい。

暗号資産について

ロジャーズ氏の暗号資産に対する見解は不変だ。
通貨発行の独占権を侵される側の政府が、暗号資産を禁止するというもの。

むしろ、主たる見解でないところに面白い点が2つあった。
1つ目はパフォーマンスの見方。

「ところで、多くの暗号資産は、知っていると思うが、すでに無価値になっている。
みんな消えて無価値になったものについては見ていないだろう。」

これは生き残りバイアスと呼ばれる現象だ。
今も生き残り、絶好調であるものに注目し、それを例えば株式インデックスと比べるのは精確な比較ではない。
(ちなみに株式インデックスにも生き残りバイアスは存在するが、少なくともインデックスから外れるまでの下げは織り込まれている。)
近年のビットコインなどのパフォーマンスが目覚ましいのは事実だが、こうしたバイアスでいくらかよく見えすぎている可能性も考えるべきだろう。

次に、ビットコインを売買しているかとの問への答。
ロジャーズ氏は、自分はトレーダーではないので興味がないと話し、さらに続けた。

「ビットコインが1ドルの時に買っておけばよかった。・・・
1914年にIBMを買っておけばよかった。
1990年にマイクロソフトを買っておけばよかった。」

これは一種の後知恵バイアスをあてこすったものだろう。
ロジャーズ氏が、必ずしも本筋でないコメントを付す背景には、認知の偏りが熱狂の一因になっているとの思いがあるのだろう。

ジム・ロジャーズの成功の秘訣

ロジャーズ氏は、自身が実践して成功を勝ち得た方法を話している。

「私が成功した方法は、安いもの、変化が起こり買われているものを探した。
あるいは、歴史的に見て高く、変化が起こり売られているものを探した。」

日頃からロジャーズ氏が繰り返している話だ。
しかし、同氏は、これが唯一の方法だとは考えていない。
投資家にはそれぞれのやり方があることを認めている。

私はかつて驚異的なトレーダーの下で働いたことがあった。
売買している企業のことをほとんどしらないのに、目をつぶって売買でき、儲けてしまう。
だから、みんな各々のやり方を見つければいい。

ロジャーズ氏は、ファンダメンタルズなどのファクトを重んじるスタイルだ。
それでも、ジョージ・ソロス氏のようなトレーダーの成功を目の当たりにすると、正解は1つではないと考えるようになるのだろう。

このインタビューの最後に、若いインタビュワーはとてつもなく純朴な質問を78歳の老人にぶつけている。
「将来の目標は何か」だ。
ロジャーズ氏は丁寧に、もっともな答を返した。

私の将来の目標は、幸せでい続けること。
そして、破産しないことだ。


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